ラッキーチャンス! 9 (電撃文庫 あ 13-33)

【ラッキーチャンス! 9】 有沢まみず/QP:flapper 電撃文庫

Amazon

天草家の後継者を巡るバトルは大混戦!!
大切なキチを奪われた雅人の運命は!?


 天草家で始まった次期継承者を決定する大バトル。しかも、優勝者への副賞は天草沙代自身!! 霊能力者名家としての権力が欲しい者、最強の称号を求める者、沙代目当ての者や単なるお金目的の者まで、日本中から猛者が集まって、バトルは大混戦に! 
 そんななか、雅人は大切なキチを失い、感情を逆転され愛のモンスターと化した二之宮・兄に追われることに。いったいこのバトル、どうなっちゃうの?

か、仮名さん。あんた、シリーズ跨いでもそんな扱いなのかよっ。ひでえ、酷過ぎる(爆笑
あかん、仮名さんが出てくるとギャグの切れ味がもはや妖刀レベル。せっかく【ラッキーチャンス!】では真面目な立ち位置で居られると思ったのに、結局変態になってしまうのか。違う、違うんや。仮名さんはほんまは全然変態なんかやあらへんのや。本物のジェントルマンなんや。単に状況が、運命が、この御人を変態という名の紳士として扱ってしまうだけなんやーー!
仮名さんが酷い目に合うのって、【いぬかみっ】の頃はケイタに関わったからだと思われていましたけれど、こうしてみると仮名さん個人の資質というか、属性だったんだなあというのがよくわかる。
ホントに性格も温厚で善良でイイ人だし、頼りになるし、頭脳明晰で強くてカッコイイという非の打ち所が無い人なのに、なんでこんな事になってしまうんだろう。もう可哀想すぎて笑いがとまら、もとい涙が止まらないッ!

もう一人のヘンタイは、誰だよあれを挿絵指定したのは! 軽く見た人を発狂させるレベルだよ、あれは!
あの風体、いやあの顔で職業が殺し屋とかじゃなく、単なる天才スリというのもギャップが酷過ぎる。スリってのはもっと目立たない風体の人じゃないのかいな。あんな恐ろしく目立つ風貌でスリとかこなしているのなら尋常じゃない。とか言ってる以前に、あの顔であのセーラー服姿という存在しているだけですでに爆発中の爆弾みたいな異様な存在感を醸し出している状態で、歴戦の霊能者たちからメダルをかたっぱしからすりとっていたというのだから、尋常どころじゃないのかもしれないが。
とりあえず喋ってよ。無言だと余計に怖い。夢に観そうなほど怖い。ってか、夢に見たらオレ会社休む。

もう二ノ宮・兄が取り返しの付かない事になってしまって、もうこれは宇宙から消し去ってしまった方がいいんじゃないだろうかという有様になってしまっているのはさておいて。なんとか通くんの機転で人生最大のピンチから逃れられた雅人だけれど、微妙に話が進まないなあ。沙代編はあと一冊で終わりのようだけれど、せっかく沙代さんを助けに来たというのに、キチは攫われるわ自分は二ノ宮兄に色々な意味で狙われるわ、と何気に自分のことで手一杯で、沙代さんの心を完全に鷲掴みにしてしまうような劇的な合流にはならず。それどころか、沙代さんをはからずも傷つけてしまうことに。鈍感は罪とは思わないが、それで女の子を傷つけてしまうのならそれはやっぱり悪業よな。沙代さんの事だからもっと割り切った対応をするかと思ったけれど、あんなに傷つくとは。それだけ、雅人が自分を助けに来てくれた事が嬉しかったのでしょう。雅人の優しさでズタズタにされた沙代さんの気持ちを思うと、雅人の首を締めたくなる。沙代さんは、二ノ宮さんと違ってタフじゃないんだよ。わりと心の強度が脆弱な子なんだよ。

ちょっと気になったのが、雅人が天草家の人間についてちょっと違和感のようなものを感じていたシーン。何を気にしていたんだろう。というよりも「誰を」気にしていたんだろう。
ここ、雅人が誰を気にしていたかによって、もしかしたら沙代さんのメインヒロイン競争からの脱落もあり得る可能性が出てくるんですよね。とりあえず、このまま行くと沙代さんマジで雅人とのラブコメからおりかねないので、予想が当たって欲しいような、でも沙代さんの気持ちを考えると当たって欲しくないような。

にしても、天草家の面々の傍若無人っぷりは頭にくるなあ。そろそろ、誰かガツンと圧倒的にたたきつぶしてほしいところだけれど。期待の一人だった東塔子は敗走と言っても仕方のない形で対戦から撤退している始末だしなあ。まあ、彼女の目的、かなりシリアスなものだったので黙ってこのままやられっぱなしにはならないだろうけど。沙代編ラストでは、あのレディを含めて、ギッタンギッタンに爽快感を感じるくらいにずんばらりんとやっつけて欲しいですなあ。


有沢まみず作品感想