シスター・ブラックシープIV エデンの嘘 (角川ビーンズ文庫)

【シスター・ブラックシープ 4.エデンの嘘】 喜多みどり/桐矢隆 角川ビーンズ文庫

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幸福な結末など信じていたのか? そなたは悪魔の花嫁なのだ――
クライマックス直前!!


「無駄です。今夜は逃がしません――本当のあなたが知りたい」
悪魔憑きが続出し、【黒い羊(ブラックシープ)】として独自に捜査するコンスタンティン。しかし、司祭ユリエルの罠にかかり、【黒い羊】は捕らわれてしまう!! さらに、無理矢理コンスタンティンを地獄に連れていこうとしていた悪魔の心境にも変化が…? 「幸福な結末など本気で信じていたのか? そなたは悪魔の花嫁なのだ――」禁断のトリニティ・ラブ・ファンタジー第4弾!!

ああ、一番心が弱ったときに頼ってしまったのはユリエルでも悪魔でもなく、ヒースだったか。でも、これは仕方ないよな。ずっと自分の素性を偽って過ごしてきたコンスタンティンにとって、ヒースだけが性別だとか身分だとか善悪だとかを全く抜きにして、ただ純粋にコンスタンティンという一個人を認め、受け入れてくれた人だからなあ。彼は悪魔よりも悪魔らしい、本物の悪党なのだけれどコンスタンティンがどうしても彼から離れられなかったというのも、彼女の境遇からしたら仕方ない事だったのだろう。疲れたとき、自分をさらけ出して寛げる場所というものは彼女には必要なものだったのだろうから。
だからこそ、何処にも行けなくなった時、誰にも頼れなくなったとき、自然と彼のもとに逃げこんでしまったのだろう。ここでコンスタンティンが女だと知っていて味方でいてくれている同性のエリカを頼ることを思いつきもしないあたり、彼女の弱り方が想像ひどかったのが伺える。ただの女になってたもんなあ。もしここでヒースがコンスタンスを抱こうとしてきたとしても、この時の彼女なら抗わなかっただろう。むしろ、ヒースはそれくらい求めても良かったと思うんだけどなあ。この男は本当に大事なモノは宝箱に入れたまま大切にしまっておくタイプなんだろうな。だからこそ、陰から見守り手を差し伸べる事に徹して彼女の傍らで寄り添うように守る事はしようとしないのだ。だからこそ、一時の宿り木には慣れても、パートナーになることは絶対にないカップルなんですよね、この二人は。だからこそ、その一時だけでも自分のものにしてしまえばいいものを。

まあ。コンスタンティンについては誰か一人の男性と一緒になる、という構図はあんまり想像できないんですよね。これはユリエルも、純愛に目覚めてしまった悪魔も異性として愛してもあることはあっても、一番大切な存在として寄り添って貰えるとは思えない。コンスタンティンにとって一番大事なものって、この街そのもの、って感じだもんな。落とし所は結局この悪徳の街が鍵になるような気がする。ホントなら、最近もう天使ちゃん化しつつある純真一途な悪魔を応援したいところなんですけどね。ユリエル司祭は、イイ人なのはわかるがちょっと悶々としすぎ。最近もう悩みすぎてむっつりスケベとしか思えなくなってきたw

下手に縺れているメインのカップルたちよりも、むしろ行先が気になるのがグロリア様と代官のレオン兄ちゃんですよ。もうレオン兄がカッコ良すぎる。あそこでのあの行動はキザすぎて男の私ですら惚れそうになってしまった。ぶっちゃけ、出てくる男の中ではこの人が一番自分の信念に対して真っ直ぐで、思いに対しても一途なんですよね。迷いがない。ほんとにカッコイイと思うのが、迷い悩むようなシチュエーションだろうと迷わないところなのである。そりゃ、悪童コンスタンティンも懐くわなあ。
そして、グロリア様が乙女すぎてニヤニヤ。思えばやたらと黒羊にちょっかいかけてたのも、コンスタンティンに喧嘩売ってたのも、私のレオンと仲良くしてんじゃねえよ、という可愛い嫉妬だったわけか。もうかわいいのう。

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