やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫)

【やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 2】 渡航/ぽんかん(8) ガガガ文庫

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話題独占! ひねくれ男のダメ青春第二弾!!
美少女ふたりと部活をしても、ラブコメ展開にはちっともならない。携帯アドレス交換しても、メールの返事が返ってこない。とっても可愛いあのコは男子。個性という名の残念さをそれぞれ抱え、相変わらずリア充の欠片もない0点の学校生活を送る奉仕部の部員たち──冷血な完璧美少女・雪乃、見た目ビッチの天然少女・結衣、そして「ひねくれぼっち」では右に出るもののいない八幡。そんな青春の隔離病棟・奉仕部に初めて事件な依頼が飛び込んで──?  八幡の妹、新キャラも登場の第二弾。俺の青春のダメさが今、加速する──!?
ほんっっとに良い子だわ、結衣。なんかもう、感動すらしてしまったくらい人として好ましい中身をしてる子だ。チャラチャラした外見や頭空っぽそうな言動に引きずられて、よっぽどちゃんと付き合わないと彼女の優しさとかひたむきさとか真摯さには気づきにくいのだけど、一度知ってしまうとどんなにお馬鹿な言動取られてももう邪険には扱えないよなあ。あの性格ドライアイスの雪乃と、性格が僻み根性で腐ってる八幡をして、彼女の本質を知って以降は結衣への接し方全然違うもんなあ。何気にめちゃくちゃ大事に扱われてるもの。特に雪乃なんて、言動こそキツいままだけれど、よくよくみると結衣に対してかなりダダ甘だし。雪乃さん、メインヒロインのくせに八幡の方は眼中ないくせに、結衣にはそんなに甘いってのはどうなのよ(笑
さり気無くこの二人、イチャイチャしているようにしか見えない!
でもまあ、分かる。分かるよ。この子に対して甘くなっちゃうのも。あれだけキツく当たっても、裏表なく真っ直ぐに、しかも本気で真剣に友達として好いてきてくれるのだ。たとえ正論だったとしてもナイフとかわらない凶器そのものの自分の言葉を、ちゃんと受け止めてくれた子なのだ。
多分、ほんとは結構ウザイと思ってるんだろうけど。でも、嫌いになれないんだろうし、やっぱり好きなんだろうなあ、うん。
一方で結衣の方も、誰にでも接するのと同じ、じゃなくちゃんと雪乃を特別な友達だと思ってるようなんですよね。あの空気を読む事に必死になって、友人だけじゃなくとにかく周りの人と悪い雰囲気になる事を怖がっていた、他人の顔色をうかがって迎合するのを処世術にしていた結衣が、雪乃の為にマジギレしたときは、この子のことホントに好きになりましたよ。惚れた。

それだけに、最後に生じてしまったすれ違いは胸が締め付けられるようだった。あれ、誰も悪くないんだよね。結衣はもちろん、八幡だって決して悪くはない。結衣がとんでもなく良い子だと分かっているからこそ、あそこで彼は傷ついてしまったんだし。これまで何度も何度もズタズタに傷ついてきた八幡だからこそ、条件付けされた反応としてあんな捉え方しか出来なかったんだろう。単純に、小町が思ってたみたいな考え方をしていればよかったのに。八幡も、結衣も、二人とも可哀想だわ、これは。

相変わらず、主人公八幡のプロのぼっち振りが凄まじく、帯では【ニャル子さん】の逢空万太さんが「これ作者の自伝だろう」と突っ込む始末。痛々しさが生々しすぎて、こっちまでのたうちまわりそうなのであります。
でも、根性腐っていようと八幡、こいつもイイ奴なんだよ。ひねくれ者で世の中斜めに見てていじけてるような奴なんだけど、イイヤツなんだよ。結衣はあれで結構見る目あると思うよ。結衣みたいに、八幡や雪乃のちょっと普通の人なら受け付けないような部分もあんまり気にせずぽややんとスルー出来る子だと、そもそもこの二人の面倒くささを「我慢する」必要ないですからね。相性ヨさそうなんだよなあ。そんでもって、そういう面倒くさい部分さえなくしたら、この二人けっこうお買い得商品なんですよ、スペックや中身は。例えば、八幡の妹の小町の兄評を見ると、だいたいおわかりいただけるかと。妹ちゃん、兄貴のことはダメ人間だと思ってるし色々残念だと呆れてもいるけれど、でも今の兄貴で満足してるっぽいんですよね。一緒に暮らす家族として、兄として、彼はちゃんとして妹である自分を満たしてくれている、と考えているようなのです。贔屓目や偏愛といったものじゃなく、ちゃんと地に足が着いたものの捉え方で、兄貴をそう評して、好いて慕っている。
面倒くさい部分さえ目をつむれば、大抵のことはちゃんとしてくれる奴ですよ。ちゃんと、幸せにしてくれる男だと思います。まあその面倒くささが商品価値を売り物に出来ないレベルにまで落としているとも言えるのですが。

ふーむ、にしてもビックリするくらいラブコメ展開にはならないですね、この作品。一番それらしいシーンを醸し出しているのが、男の彩加相手の時というのはどういうことだ。雪乃なんて、ほんとに全く普通にともだち……というか知り合い? というレベルの関係で「フラグ」とか立った試しもないし。
結衣の一々可愛い反応を見てるのはニヤニヤさせられますけど、彼女も別にアピールやアプローチの類は殆どしてないもんなあ。だから、どんどんと仲が進展していってるのが彩加だけというのはどういう事なんだ!? こいつ、そのうち本気で道踏み外すんじゃないだろうな。なんだか心配になってきたぞ。新登場の川崎も、そっちの気配は完膚なきまでになかったし。
何だかんだと好意を持った女の子が周りに集まるこの系統の作品としては珍しく、人間関係はひどく真面目だったりするんだよなあ。雪乃の抱えている問題や家庭環境も段々と見えてきましたけれど、今のところそれが八幡と関わってくる様子は皆無ですし。もしかして、本当に恋愛関係は結衣だけに絞るつもりなんだろうか。雪乃に関してはまだこれから、と見ることも出来るけど。


PS:とりあえず、この作品における萌えキャラは平塚先生だな、うん。それ以外は彩加だろうと認めないッ。
誰だよ、先生泣かしたやつ。思わずマジで萌えちゃったじゃないかw

1巻感想