おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その5 (MF文庫 J は 6-12)

【おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その5 この夜に奏でられるフィナーレ】 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J

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次はちょっと控えめに――控えませんでした。一乃さん、ブルマを着用。
夏休み明け、一乃のいない荒谷学園ゲーム同好会。生まれながらの異能『煉獄』、つまりフェルを失った森塚一乃は学校を休んでいた。事情を知らない宗司とキリカだが、キリカが一乃の家を訪れることになる。そこでキリカが見たものは……。その他、ブルマの妖精さんと柔軟体操とか、宗司と一乃のデート再びとか、まさかの女子会開催とか宗司のコスプレ(誰得)とか文化祭とか。一乃の異能、完全喪失!?「私はもう、ただの非力な女の子よ」――かつて宗司と交わされた「契約」はどうなってしまうのか? 葉村哲が贈る新感覚ラブコメディ(でおK)、全然自重する気配のない第五弾!
本気で自重する気無いな、一乃さん! ってか、異能がなくなり宗司と交わした「契約」が曖昧になってしまった為に、一乃さん的には腰が引けて宗司から距離を置こうとするんじゃないだろうか、なんて予想してたんだがこの女……余裕なくしてテンパッた挙句に逆に血相変えてしがみついてきやがった!!(爆笑
こらこらこらこら、クールで孤高の美少女は何処へ行った。もうそんなキャラ初っ端から残ってねえよと言われればそれまでだけれど、少なくとも形骸くらいは残ってたと思うんだが、そのへん全部かなぐり捨てて来たってなもんだ。表向き単に普段よりも壊れ気味なだけ、とも取れるけれどこれってもう一乃必死だよね。普段の見栄張って暴走して自爆するだけのプライドも残ってない様子だし。デート編なんていつもならついつい宗司の優しさに甘えてムチャクチャした挙句に色々と酷いことになるのが定番なのに、あまりにも普通にデートしてしまったお陰でキリカが一乃が壊れたって泣いちゃったくらいだし(泣くなよ……。
とにかくもう一乃さんちょっとビックリするくらい必死なのだ。今回の一乃さんのややもはっちゃけすぎなくらいのテンションはそういう事なのだ。ただ色ボケしてたり妄想に耽溺してたりキャラが壊れてたわけではない。距離をおくなんてとんでもない。それどころか、しがみつき、むしゃぶりつき、涙ながらに懇願するように私を捨てないで、私を忘れないで、私を一人にしないで、離さないでと喚いているのだ。それこそドSだった彼女が軽視できない勢いでMッ気をまき散らしていた程に。幼児退行して大暴れしていたあれが、実のところ今回の一乃さんの一番素の顔だったんじゃないだろうか。
一乃が宗司にベタぼれなのは本人も公言しているし自明の事だったんだけれど、ここまでなりふり構わなくなるほど好きだったとはなあ。
いろんな意味で弱ってしまった一乃の為に、キリカとリリスが今回に限って前に出ずフォローにまわっていたのはなかなか印象的だった。本気で仲が悪いはずの三人(四人?)なんだけれど、実際はこの通り溺れた犬を棒で叩くどころか助けてあげるあたり、何だかんだと仲がいいんだよな……多分。

フェルについてはちょっと勘違いしていた。彼女が煉獄の総体というわけじゃなくて、あくまでのあのペンギンとかワンコとかマンボウと同じ化身の一つであって、異能そのものに意識や人格があると決まったわけでもないのか。ただ、リリスの事も考えれば、キリカのバッドジョークや宗司の白夜にも何らかの要素があってもおかしくない、というのはまだ否定は出来ないんだな。……ってかフェル、前の巻であんなに意味深に姿消したくせに簡単に戻ってきたなおい。このゆるキャラヒロインめ。

そしてラストの衝撃的(?)なのかどうなのかよくわからない展開も、まるで皆の関係が決定的に壊れねじ曲がるシリアス展開っぽく終わっていたが、むしろあの設定は一乃さん逆に燃えそうなんだがな。またぞろドSに戻りそうな予感。それどころか肉食系になって宗司食いつかれそうな気がするんだが。ご愁傷さまである。

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