ソードアート・オンライン〈8〉アーリー・アンド・レイト (電撃文庫)

【ソードアート・オンライン 8.アーリー・アンド・レイト】 川原礫/abec

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黒の剣士、キリトが体験した様々なエピソードを収録! 今までの物語を補完する短編集が登場!

『圏内事件』──《SAO》中階層で、一人のプレイヤーが殺された。その殺害現場はHPが減るはずのない《安全圏内》だった。これはプレイヤー・キルだと仮定するも、その殺害方法に全く見当がつかず……。奇怪な事件を、キリトとアスナが追う。
『キャリバー』──《ALO》伝説の聖剣《エクスキャリバー》。その獲得クエストがついに始まった。守護するモンスターたちの強さから一度は獲得を諦めていたキリトだったが、これを機に再び争奪戦に本格参戦する。しかし、このクエストには壮大な裏イベントがあり……。
『はじまりの日』──《SAO》正式稼働初日。茅場晶彦によるデスゲーム開始の声明を受けた直後。キリトが決断した、このゲームを生き抜くための最初の一手。それは、ベータテスト時に攻略経験があるクエストを真っ先にクリアし、初期装備よりも強力な剣を獲得することだった──。
シノンさん、マジかっけーーー!! ワンマンアーミーな狙撃兵のシノンがファンタジー世界の《ALO》に来たら特色なくなっちゃうのかと思ったら、狙撃銃を弓に持ち替えて、ファンタジー世界版スナイパーにあっさりなってるし。今人気作になりつつあるMF文庫の【魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉】などでも扱われているけれど、ロングレンジ特化の弓兵って新機軸の燃えポイントだよねえ。弓って銃器とはまた別の味があるんですよねえ。本来備えられているゲームシステムを逸脱した弓の冴えを見せるシノンさんの、ポイントポイントでの達人芸がいちいちかっこ良すぎる。今回に限ってはキリトさん無双じゃなくて、シノンさん無双でしたねえ。
というか、普段の話はキリトしか主だった活躍をしてくれないので、この【キャリバー】みたいなパーティーみんなでそれぞれに特色を生かし合ってクエストを攻略していく話はちょっとびっくりするくらいに面白かったなあ。和気藹々とした雰囲気も心地良かったし、読んでて気楽に楽しかった。キリトくんが普段よりも子供っぽく歳相応の無邪気さややんちゃさを剥き出しにしていて好感も高かったですし。そもそも、キリトって結構キャラ定まってない気もするんですけどね。話によって性格とかテンションとかかなり違ってるし。まあキャラが勝手に動いて話を作っていくタイプの作品じゃなく、話に合わせてキャラが動くスタイルなんだからそういうものなのかもしれないけれど。

最初の【圏内事件】は事件そのものよりもむしろヒースクリフさんのわりとお茶目(?)な一面が興味深かったぞw 既に彼の正体を本編で知っているからこそ、あのキリトお気に入りの店での懇談の後の一言が笑えると同時に、このVRシステムの底知れなさが窺えるのでした。いや、あんたも把握してなかったのかよ!(笑
しかし、ラフィンコフィンのメンバーをあれだけ詳しく描写しているということは、彼らの討伐話もいずれ出てくるんでしょうなあ。

川原礫作品感想