デート・ア・ライブ2  四糸乃パペット (富士見ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 2.四糸乃パペット】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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第2の精霊、四糸乃をデレさせろ!? 新世代ボーイ・ミーツ・ガール!!
高校に転校してきた十香は、鳶一と事あるごとに喧嘩を繰り広げ、毎日が修羅場な士道。唯一心休まる自宅に帰れば、訓練ということで十香との同居イベントが発生。動揺する士道の前に、第2の精霊が現れて――!?
シドー、こいつ根性あるなあ。基本的にシドーってシャイというか誠実なところが強くて、精霊をデレさせて無力化する、という作戦に対してノリ気ではないのである。精霊の出現によって大ダメージを受ける人類のためであり、また本意ではなく破壊をまき散らしてしまう精霊たち自身のため、というのは理解しているので妹司令官からの命令を拒否はしないのだけれど、やっぱり好きでもないのにわざと気を引いて、デートの真似事をして、精霊の女の子の気持ちを弄んでしまう形になってしまうのが罪悪感を掻き立てるんでしょうね。どうしても、必死ではあるものの仕方なく、といった風情で任務についている。
でもだからこそ、いざというとき、シドーは精霊の娘たちに対して心の底から誠実に接しようとする。それはもう、献身と言っていいくらいの勢いで。自分が下心ありの損得勘定で近づいている事の代償を支払わんとでも言うように。
本来、彼がそこまでムキになる必要は何処にもない。あくまでそれは命令でやらされている事であり、社会のためにやらなければならない事であり、彼が悪意や欲望から望んだ事では全くないのだから。
それでも、彼は自分が精霊にアプローチした責任を、誰にも押し付けず、自分で果たそうとするのだ。
それは恋愛感情に基づくものではないからこそ、恐怖や弱気を乗り越えた先にあるものだからこそ、シドーという少年の侠気を、勇気を目の当たりに出来る。普段ははっきりしない優柔不断な男に見えるけれど、五河士道は本物の「漢」ですよ。カッコイイ男の子ですよ。
そりゃあ、あの「妹」ちゃんだってデレるわー。いや、まさかあの強烈なキャラの妹がこんなふうに崩れるとは思わなかった。

しかし、謎だった「妹司令官」の裏事情も今回の話で情報がいくつか出てきたことで仮説を立てる事が出来てきた。なんで幼い妹が特殊機関の司令などに収まる事ができたのか。そもそもなんで、シドーが精霊を無力化できるという不思議な能力があることを、妹ちゃんが知っていて、それを利用するための機関を組織するに至ったのか。大きな謎が幾つかあったわけですが、なるほど、十香が一番最初のシドーの能力の実例ではなかったとしたら、色々と説明がつくなあ。最後に「本物」が登場したのも、シドーの両親がなくなった精霊災害の件なども交えて、伏線としては大いに注目すべきところだし。

にしても、本来のメインヒロインであるはずの十香がいまいち目立っていなかったような。同居イベントに精霊の力を復活させての相棒展開と、メインヒロインとしてちゃんとやることはやってたのに。かと言って、新ヒロインのパペットマメットが目立ってたかというと、別にそんなわけでもないわけで……。
鳶一、恐ろしい子w

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