ストライク・ザ・ブラッド 2 (電撃文庫 み 3-31)

【ストライク・ザ・ブラッド 2.戦王の使者】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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新たなる監視者の襲来、そして魔族特区の危機!
注目の大人気シリーズ、待望の第二弾!!


 監視者・姫柊雪菜につきまとわれる生活にもようやく慣れて、平和な日常を取り戻しつつあった『第四真祖』暁古城の前に、欧州の真祖『忘却の戦王』の使者ディミトリエ・ヴァトラーと、彼の監視役・煌坂紗矢華が現れる。なぜか古城に異様な興味を示すヴァトラーと、そして親友の雪菜を守るためにと古城の命をつけ狙う紗矢華。しかし彼らの到来は、絃神島の存亡をかけた巨大な陰謀の前触れに過ぎなかった──。
 世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第二弾!
やっっべえわ、これやっべええわ!! 

姫柊雪菜は俺の嫁ぇぇ!!!

こりゃあかん、思っても言っちゃあ恥ずいだけのことを思わず絶叫させられてしまった程に、雪菜が強力すぎる! なんという俺嫁力!!
まさか伝説の「嫁ヒロイン」こと【世界平和は一家団欒のあとに】の柚島香奈子に匹敵するほどの「嫁属性」の持ち主が現れるなんて。一巻の時点では確かに図抜けた可愛らしさのある強力なヒロインだったけれど、嫁属性はなかったはずなんですよね。それがどうしてこうも一変してしまったかというのを振り返って見るならば……あれだよね。血を吸ったのが決め手だよね。
それまではお人好しの世話好き成分を炸裂させていながらも、あくまで古城は監視対象であり感情を挟んではいけないというターゲットだったのだ。本音の方はもうだいぶ最初の方に彼に感情移入してしまっていたとはいえ、生真面目な雪菜のことである。建前をもって自分を律していたのだろう。それ相応の距離感を保っていたのだ、それまでは。
が、あの吸血行為を自分から申し出ることで、枷を外してしまったのである。身も心も捧げるだけの覚悟を決めてしまった、というのは余りにも大げさだけれど、この人は自分が傍であれこれ面倒みてあげないと「ダメ」な人だ、という位の事は思ってしまったに違いない。
そうなれば、保っていた距離感などもう無きに等しい。幸か不幸かあるいは必然か、暁古城という男は実に面倒見甲斐のある男なのだ。迂闊でズボラで面倒臭がりで怠け者、そのくせ従順で言われたことはちゃんとやるし干渉されてもお節介だと嫌がらない。何気に目ざとく、女心を擽る言動に長けていて、見返りをちゃんとくれるんですよね。だから、傍にくっついて面倒を見ればみるほどうんざりするどころか逆に嬉々としてさらに手をかけてしまうというズブズブ余計にはまっていくという調和のとれた循環が発生するのだ。
これも自然の摂理である。駄目男万歳?
建前としては残しつつも任務だからとか社会のためだからという義務感、使命感、正義感から離れ、せっせと男の面倒を見ようとするのは、そりゃ嫁だよね。嫁属性もついてしまうのも無理からぬこと。
お小言をくれながらぴったり寄り添っててきぱき面倒みてくれる後輩の子って、素晴らしいですよね、うんうん。
自分、妹キャラですらない後輩キャラって今までピンと来たことなかったんだけれど、これは良いわ、最高だわ。媚を売らず毅然として甘えを見せない年下の娘が、拗ねたり嫉妬したりするのって最高ですよね!!
女の嫉妬ってどうしても不細工に見えてしまうものだけに、嫉妬する姿こそが一番可愛いって、最強じゃね?

ちょっとこの作品の方向性、見誤ってたかもしれない。現代伝奇の王道路線を本気で極めるつもりで、バトルや世界観の設定重視で進行するのかと思ってたんだが……作者が一番渾身の力振るってるのって、明らかに雪菜のシーンですよね、これ? 雪菜を如何に可愛くラブコメってみせるかに、一心不乱に力入れてますよね? 
そして、その成果の強力なこと強力なこと。一巻では三雲さんほどの古豪が本気でベタなバトルもの書いたらこんなに面白いのかと仰天させられたものだったけれど、二巻では三雲さんほどの古豪が本気でラブコメ書いたらこれほどのものを仕上げてくるのかと驚嘆させられましたよ。前にも書きましたけれど、この作者さんって男女関係のあれこれをちゃんと「ラブコメ」で綱引きさせてる作品って珍しいんですよ。だから、この人がガチでラブコメしてくるのって新鮮だなあ、くらいの感覚だったんですが、新鮮どころじゃないや、これマジやっべえ、のレベルですわ。ベテランすげえ。

しかし、獅子王機関ってもっといかめしい感じの組織だと思ってたんだが、やってることを見るともしかしてこいつらただの「面白ろ組織」なんじゃないだろうな!? 一応、ふざけてるんじゃなくてちゃんと真剣で深刻な理由があってこそ、雪菜や紗矢華に秘めた目的を以て派遣した、というのは理解しているつもりなんだが、現実になにをしているかというと……。
「してやったり」みたいな顔をしている気がしたんだが、あんたらやってることただの女の子の斡旋と手回しだけですからね? 
にしてもだ、斡旋するべき人材の選定は実に見事。よくもまあ、あそこまで攻魔師としての実力と、女の子のチョロさを兼ね備えた娘さんを何人も抱えているものだ。ってか、雪菜も相当だったけれど、それを上回る勢いで紗矢華さんチョロすぎ!(笑 しかもヘタレだし! 

その点、浅葱は気合入ってたなあ。随分と一人相撲してばっかりだったので、そのまま迷走するのかと思いきや、腹据えてモヤモヤ吹き飛ばした途端、躊躇わずに行動にうってでましたよ、かっけえーー!
いやあ、男前の姐さんキャラかと思われた紗矢華がただのヘタレだったんで、その分浅葱の女っぷりが際立ちました。嫁についてはもう雪菜の独壇場なんだが、青春の甘酸っぱさでは全然負けてない、負けてないよ浅葱さん! この二大巨頭対決は何気に甲乙付けがたいなあ。紗矢華は愛玩動物扱いでOK?

一巻の段階ではあんまり立場なくてどうするんだろうと思っていた妹が、けっこう重要なポディションっぽかったのが発覚したり、アスタルテが再登場どころかかなり目立ってて嬉しかったり、三雲定番合法ロリ先生は前科があるのでもしかして子持ちじゃねえだろうな、とワクワクしたりと……女の子成分高いよね、結構。サブタイトルにあるライバルキャラ、ヴァトラーも決してキャラ薄いわけじゃないんだが、というかかなり濃いんだが、それでもラブコメに食われてた感ありだったかも。この調子で行くと、眷獣一匹に対して女の子一人の血を吸う、という計算になっちゃうんだが、さすがに12人はいないでしょ、多分。雪菜の発言を聞く限りでは、どうやら同じ相手でも別の眷獣に効果あるみたいだし。それでも、次回あたりは浅葱の出番になりそうな。ただでさえラストの展開で、大攻勢が勃発しそうだし。うはは、浅葱プッシュもそれはそれで嬉しいけど、それで雪菜が嫉妬するさまを見れるのはまたそれはそれで悦楽よのうw

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