カレイドメイズ3  魔法じかけの純情な感情 (角川スニーカー文庫)

【カレイドメイズ 3.魔法じかけの純情な感情】 湖山真/鵜飼沙樹 角川スニーカー文庫

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学院の講師となったミオは、ことあるごとにカイルにちょっかいを出してネーフェを挑発、怒り心頭のネーフェは、不利を承知で魔導万華鏡での決闘(景品:カイル)を挑むのだった。そんな彼女の姿に、カイルはある決意を胸に秘めるのだが――。
その頃、街には闇の隊商が訪れていた。そこでは超越異物や結晶獣などの危険な商品も取引されており、さらにあの眼帯男の姿があった! 半熟王女の恋と王国復興ノ野望に、新たな局面が訪れる!!
おおっ、なんか二巻から更に抜群に面白くなってる!? なんかこう、作風の焦点が合ってきたという感じがする。作品のセールスポイント、売り、或いは特徴をしっかり掴む事が適って、武器として存分に揮えるようになったという印象。キャラ自体は既に二巻の段階で立ってたと思うんですよね。特段この三巻でさらにキャラクターが立ったという感じはしない。それがどうしてこんなに躍動感を持って映えるようになったのかはなかなか考えるに興味深いポイントじゃなかろうか。重要なポイントとも言える。多分、自分の中ではこれが境界線なのだ。勿論、他にも様々なファクターはあるのだが、この感触の有る無しはダイレクトに作品への満足度に関わってくると言っていい。
その意味では、デビュー作のシリーズ以来、面白いしなんか好きなんだけれど何かもう一味足りない感じがしてずっともどかしかった作者の作品においてついにこれだっ! という手応えを感じ取れて、実はかなり嬉しかったりして。

今回の話、起きている事件や騒ぎだけを客観的に羅列するならかなり深刻で大変な事になっているし、人間の感情もわりとドロドロの黒いものが混ざっている話なのだけれど、緩急と言ったらちょっと違う気がするのだが、緊張感を張り詰め過ぎずに小気味良いタイミングで肩の力を抜く様な、あるいは身も蓋もなさに腰砕けになってしまうような軽妙なノリが挟まってくるんですよね。総じて登場人物から街の気風から大らかというか楽天的というか全然深刻ぶらないところがあるので、お話の雰囲気は独特の惚けたノリに終始している。これがまた面白いと言うか味わい深いというか、なんかもう楽しい。思わず吹いてしまう場面に繰り返し遭遇してしまって、一巻通してニコニコしたまま読み終えてしまった。本人達はそれなりに一生懸命で必死ぶっこいていらっしゃるのだけれど、それすらもが面白可笑しい。
そんな中で微笑ましいのが、主人公のカイルとヒロインのネーフェの初々しい、あるいは辿々しいばかりの恋模様でしょう。父親へのトラウマから恋愛について一線を引いているカイルなんだけれど、もうさすがにこのネーフェの一途なアプローチには抗しきれなかったらしく、どうやら覚悟を決めた模様。流されずにきちんと決められたのはエラいよ。何だかんだと彼がネーフェの事が大好きだというのは、彼女の裸が別の男性に見られた時の氷の魔王のようなブチ切れっぷりを見れば一目瞭然でしょう。ってか、あのカイル怖すぎw
ネーフェの方も、ミオという余計なちょっかいを掛けてくる相手が出てきたことで焦りまくるのですが、やっぱり嫉妬する姿が可愛い女の子はヒロインとして飛びっきりだよなあ、うん。
巨大結晶獣が現れた時の学院の先生連中の登場シーンの格好よさと、その後のこすっからさには素晴らしく吹きました。あんたら教職のくせに色々と我欲強すぎw まあ教員というよりも研究職がメインなので分からなくもないのですけれど、揃いも揃って生徒に舌打ちするな(笑
レナートスは相変わらずの残念イケメンっぷり、ブレないなあ。というかブレなさすぎてこのキャラ、親友キャラとしては面白すぎる人になってるぞ。前回の魔剣に引き続き、今回の魔剣も凄まじいとすら言っていいものだったし。もう笑った笑った。威力の強力さに対する副作用がしょうもなさすぎるw しょうもないけれど、恐ろしすぎるw
未だかつてあれほど恐怖に戦慄を覚えながらしょうもないさに腰砕けになった名前の魔剣は見たこと無いぞ(爆笑
でも、最後はちょっと見なおした。アレなやつだけれど、あれでちゃんと親友なんだ、レナートス。作中で主人公、ガチに殺しに行ってるけどw まああれはキレても仕方ない、うん。
そういえば、主人公の短気さはわりと学内では有名なんだな。彼の二つ名というか異名が【起きやすい眠れる獅子】と呼ばれたのには笑った笑った。確かにわりと簡単に目を覚ますよ、このライオン。

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