ドリフターズ 2巻 (ヤングキングコミックス)

【ドリフターズ 2】 平野耕太 ヤングキングコミックス

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各々の時代、其れ其れの戦場から呼び集められた戦士たち……。
関ヶ原より島津豊久、本能寺より織田信長、源平の都古より那須与一。
現在では無い何時か、現実では無い何所か。エルフの里に集いし日の本の侍たち……。
新たな国奪りの物語が始まる!!

やっぱりこの織田信長好きだわー。体真っ二つになってもお茶入れる信長くらい大好き。前巻の感想でも力説してしまったけれど、この信長は情の人なんですよね。冷酷にして残虐だけれど、身内には甘いくらいのところがある。作中でも豊久に指摘されているように人の心の機微に対して疎いところがあり、それで多々失敗を繰り返しているけれど、決して非情で無情な人物ではなかったと思うのだ。
この信長もね、本能寺の変で二条城にて自害した愛する息子信忠の影を豊久に重ねあわせて目を細めるシーンなんざ、思わずジーンと来てしまった。異世界に身一つで放り出され、身分も立場も失って本当の裸一貫からの再出発。身を覆っていた天下人の虚飾も重圧も増長も責任も脱ぎ捨てたことで、信長は行動を共にすることとなった豊久を何にも囚われずに見ることが出来たんでしょうなあ。だからこそ、何の思惑もなくこの青年の武者振りに惚れることが出来た。この若者を息子のように思えた。自分ではなくこの男に、天下をやりたいと思えたんでしょうなあ。自分が血と泥を被ってでも。
そして、この新しい一人息子は、自分の傀儡になどなる器ではなく、一人の男と男として向き合える息子だった。過保護な自分の扱いを突っぱねて、しかし拒絶ではなく叱り飛ばした豊久を呆然と見上げたあとの、信長の嬉しそうなこと嬉しそうなこと。
豊久の方もちょっと信長に亡き親父を重ねてみたりして、満更でもなさそうなんですよね。与一も含めたこの三人組、やっぱ好きだわー。
そしてオッパイーヌも感じ入っていたこの時代の侍たちの死生観。現代の感性からしたら計り知れないところのあるそれぞれの時代の人間の在り方、考え方は面白い。歴史を振り返る上で、なんでも現代の価値観に照らしあわせて考えたらあかんよなあ。

ところで、ここで信長がエルフを率いて行なっている誘引迎撃戦術って、かなり大雑把の簡易だし鉄板防御なんて施してないけれど、荷馬車を利用して速攻で仮設陣地を構築するあたり、フス戦争のヤン・ジシュカのそれによく似てるなあ。別に信長が隻眼になっているのは関係ないんだろうけど。あるいは進行路を無理やり限定して野戦陣地に正面突進せざるをえなくさせるあたりなんざ、長篠の再現とも言えるのかも。


噂の黒王さまは、彼の人の裏切られた状況や体の傷などを見るとどう考えても「あれ」じゃないか。ある意味、ヘルシングより喧嘩売ってるな!

そして新たなドリフターズとして……多聞丸きたっ! ミッドウェー海戦にて散った猛将山口多聞少将。これ、廃棄物じゃないですよね。どうやら所属は黒王軍じゃなく、ギルド連合の艦隊司令官になってるみたいだし。ああ……「飛龍」がある……。

1巻感想