おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その6 (MF文庫J)

【おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その6 End Time/End Game】
 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J


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ついに明らかになった宗司と一乃の関係。二人は悠久のときをも超える、運命の敵どうしだった!
「あなたが私の『敵』なのでしょう」「…ああ」「正座」「?」「私、とても機嫌が悪いの」「はい(宗司、正座する)」「ムラムラするわね!」「イライラでなく!?」今度の一乃さんは女王様モード!ほか、食欲の秋にちょっぴり膨らんじゃう一乃キリカリリスとか、王様ゲームとかミニスカサンタとか。それでも宗司は永遠の敵なわけで…ゲーム同好会は一体どうなってしまうのか!?特別短編「秋葉原編」「池袋編」を完全収録した悶絶決定版ラブコメディ(でいいよねもう)第六巻。
……え? ちょっと、待って? なんでここで<永遠式>が出てくるの!?
あれ? え? まさか本当にそういう事だったの? ちょっとしたサービスの意味で前作の【天川天音の否定公式】との関連性を匂わせているだけかと思ってたんだが、もしかしてガチで繋がってるのか!?
振り返ってみると、宗司と彼の父親、そして三人の母親には血の繋がりはないような描写が綴られていた。特に三人の母親については、家族ではあるものの誰が自分の産みの親だというような態度を宗司は示してなかったんですよね。あくまで母親として可愛がり愛してくれた人だという風にしか語っていなかった。其れに比べて、父親だけは妙に近しい、というか養父とは言いがたい何らかの繋がりを感じさせるような態度だったんですよね。もし、この父親が前作の主人公である芦原雪道だったとしたら、彼が天川天音、長月瑛子、浅闇シロコ以外の女性とは絶対に関係を持つはずがない。そう考えるなら、彼女たちの実の息子ではない彼が、雪道の実の息子ではないのは間違いく……宗司の苗字が芦原ではなく白崎だというのも、宗司が実子ではない証拠だと思ってたんだが。
もし宗司が新しい雪道の次の<永遠式>だというのなら、ある意味雪道の息子というのも間違いじゃないんですよね。そして、その<永遠式>と自動的に運命の敵として位置づけられるのなら、一乃たちは<終焉式><虚構式><願望式>の原初式であると考えると全部しっくり来るのだ。順当に当てはめるなら、一乃が<終焉式>、キリカが<願望式>、リリスが<虚構式>なんだろう。宗司の発言からしても、永遠式に呼応して、一乃たちの能力は対抗存在として発生したような言い方してるし。
さらに、「『死にたくない』という絶望を砕く、『生きていたくない』という希望」という宗司の言葉からも、これらの原初式が想起されるんですよね。前回の天音っぽい一人目の母親に続いて、今回電話越しに登場した二人目の母親は、明らかに瑛子だったしなあ。てっきり、これらの問題は全部前作で片がついたと思ってたんだが、まさか持ち越ししちゃったのか?

前回の運命の敵である事が発覚した際は、まだ日常が崩れるほどの歪みは生じていなかったのですが、マイペースに日常を続けるのかと思った一乃は、何やら予想以上に無理していたようで。「日常継続ゲーム」なんて言い出しちゃったら、日常が続いている方がおかしい事を認めるようなものじゃないか。
さすがに今回のラストは、何事もなかったかのように今までの平和な展開を続けるわけにはいかないだろう激震が纏めて襲いかかってきたので、さすがに次巻は動くんだろうなあ……それでもなお、あのリリスやキリカでこれまでと同じくラブコメを続けたら、それはそれで尊敬しますけどね!

しかし、いい加減一乃さん、マジで焦燥にかられるかして余裕がなくなったみたいで……ガチで据え膳し出したぞ、この女w もはやからかって遊ぶとか、鈍感くんを誘惑して反応を楽しむ段階を飛び越し、恋敵と張り合うがためにアピールすることすら跨ぎ越し、露骨にいいからお前、とっとと私を襲えやこら、と首根っこ捕まえて振り回すかのような勢いでの積極攻勢w キリカとリリスもそんな一乃に引きずられて、これ一体どんな桃色空間ですか?
もうボケと冗談と弄りについては、フェルを筆頭とする煉獄の不思議生物群がほぼ専任担当という有様に。ある意味、フェルがこれまで以上に大活躍ですよ。こいつ、第一罪とバレた途端に言動に遠慮が全力で皆無になったな。実に楽しそうに宗司たちで遊びまわってやがる。かっこいい台詞録音成功には吹いた。あれをばっちり録音してるとか、フェル、やり手すぎる(笑

葉村哲作品感想