オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> 2 (HJ文庫)

【オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> 2】 鷹山誠一/伍長 HJ文庫

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明日香先輩の絶対不可避の予知を巡る騒動から一カ月。いまだ先輩との距離感をつかめないでいたオレは、サヤ姉と里帰りした田舎の川辺で憂いを秘めた少女――綿貫聡里(推定年齢10歳)と出会う。「他人の心が読める」という聡里の苦悩を聞き、オレは彼女の助けになろうとするが……。あれ? 先輩がどうしてここに!? 先が読めない絶対領域ラブコメ第2弾!!
うはあっ、明日香先輩が可愛すぎる!!
一巻でもその小悪魔チックでキュートな年上の女性としての可愛らしさは凡百のヒロインなど鼻息一つで蹴散らしてしまいそうな勢いだったのだけれど、彼女を苦しめていた未来予知の呪いが解かれたお陰で憂いの陰が取り払われた今の明日香先輩は殆ど無敵のスーパーヒロイン。
完璧じゃないか。パーフェクトな年上カノジョですよ。男心を擽るような小悪魔めいた言動で男の子を翻弄しながら、内心では彼の反応に一喜一憂してくるくると表情が変わり、一生懸命お姉さん風を吹かせてリードを取ろうとしつつ、色々と隙が多いので空回りすることもしばしば。もうなんかねー、一挙手一投足が可愛らしいの。年上の女性の可愛らしさの特性をまとめてぎゅっと凝縮したような、ああもうかわいいなあ!!

と、前回と変わらずどころか明らかにヒロインとしてパワーアップすらしていた明日香先輩。既に一巻の段階で大きな差をつけられてしまっていたもう一人のヒロイン、従姉のサヤ姉はこれじゃあ太刀打ちできないだろう……と、思いきや。これがまさかの大変身!! ちょっ、サヤ姉が大化けしてる!?
前回のラストで幼馴染で従姉という近しい位置に甘えて自分の気持に素直にならずにいては、明日香に全部持って行かれると悟ったサヤ姉。決心の大告白をカマし、カーくんに異性として意識させる楔を打ち込んでいたわけですけれど、それに伴ってカーくんへの接し方もこの巻からそこはかとなく変化させてるんですよね。身内としての今までと同じ近しさを損なわないように維持したまま、恋する少女としての仄かな色気と好意の香しさを添えて接し方を僅かに柔らかくすることで、これがびっくりするくらいに可愛らしくなっているのだ。
この作者、女性の可愛らしさの描き方を髄まで心得てるよな。明日香先輩だけじゃなく、サヤ姉までここまで鮮やかに変えてしまった手腕を見るかぎり、明日香先輩が特別だったわけじゃなく、純粋にキャラクターをキュートに描く技を持っていると捉えていいんじゃないだろうか。ぶっちゃけ、ヒロインに限らず主人公くんもいちいち反応が可愛らしいんですよね。だもんだから、主人公とヒロインのやり取りを見ているだけでニヤニヤが止まらなくなる。初々しいやら微笑ましいやら、思わず胸がホクホクしてきてしまうわけで。
いやあ、美味しいなあ。
サヤ姉については、今回新登場の女の子の境遇をひっくり返すために、八面六臂の活躍をしてくれるものだから、可愛らしいと同時に実に頼もしい姉として存在感を示してくれる。明日香先輩や聡里にとって主人公はまさにヒーローだったのかもしれないけれど、主人公のカーくんからしたらサヤ姉こそが自分の前に立ちふさがった困難の壁を切り開いてくれるヒーローなんですよね、これ。そしてこのお姉ちゃんときたら、弟の期待と懇願には応えないなどという選択肢はなく、快刀乱麻を断つようにバッタバッタと大難をなぎ倒していくものだから、かっこいいったらありゃしない。
挙句に自分の人生丸ごとベットしての大勝負。強かに負ける要素を消していた事が後で明らかになるけれど、それでも賭けに乗せるには万が一を考えるととても躊躇せずには居られない重大事で、それを自分のためじゃなくただ愛する従弟と友達になった小さな女の子の為に泰然自若と打ってみせたサヤ姉は、男前すぎました。
惚れるわ、これ。
最終的に事態を打開したのは主人公のひらめきだけれど、お膳立てから何から殆ど全部サヤ姉が準備し整え片付けてしまったようなものだもんなあ。主人公からしたらサヤ姉には頭があがらないし、憧れを一切くすませない眩しい存在なんだろうなあ。そんな彼女が、自分のことを好きだと言ってくれる。一番大事な時に自分を信じて任せてくれる。そりゃあ、ドキドキしてしまうのも当然でしょう。
ああまったく、明日香先輩とサヤ姉みたいな年上の女性にこんなに目一杯の愛情を注がれて、こればっかりは羨ましいとしか言えないな。尤も、それに見合うだけの気持ちの良い男の子なので、妬み嫉みのたぐいはまったく芽生えないのだけれど。

結論としてウサミミメイドの先輩は至高でした、はい。特に自滅しそうなほど恥ずかしがってるところが。最高!!
このシリーズ、毎回心の底から楽しめそうです。うはうは。

1巻感想