アイドライジング!〈3〉 (電撃文庫)

【アイドライジング! 3】 広沢サカキ/CUTEG 電撃文庫

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ドキドキの学園祭&エリザベス予選! しかしモモに忍び寄る影が……!?

 モモたちの通う鳴谷鶯高校の学園祭が始まった。張り切るモモだったが、先輩アイドルのタキ・ユウエンがやってきて、ウキウキは一転。前回の『貸し』を盾に迫る彼女に押し切られ、モモは学祭期間中ずっとタキとデートしなければならないことに。さらに学祭のイベントで発生したトラブルにより、モモはアイドルとしても大きな壁にぶつかり……!? 新世紀アイドルストーリー第3弾!!
あれ? あれれれ!? モモをぱっくり食べてしまおうと隙あらば粉かけてくる変態アイドル、まずイロモノキャラとして賑やかしをやっていたタキさんが、なんか劇的に立ち位置変えちゃいましたよ!?
これじゃあまるで、新人のモモにアイドライジングの世界の真髄を教え、導く掛け替えのない頼もしい先輩キャラじゃないかw
そう言えば、これまでモモに関わってきたアイドルたちって、まずマツリザキ・エリーは頂点にして聳え立つ壁であり、オリンは共に競いあう好敵手という関係だったけれど、アイドルとはどういう存在なのか、というのを同じアイドルの立場から教導してくれるような人は今までいなかったんですよね。
先達として、アイドライジングの世界を盛り上げてくれるだろう逸材として有望だけれど、まだまだ右も左もわかっていない新人に、アイドルとしての在り方、心意気、一番何が大切なのかを、ここまで親身になって、身を持って教えてくれようとする人は居なかっただけに、あのタキさんが頼もしいやらカッコいいやら。いや、マジでイイ姉役じゃないですか。あんなヘンタイさんなのに、何だかんだと多くのアイドルたちから慕われているのは伊達じゃなかったのか。モモだって、最初のアプローチの仕方を間違えなければあんな苦手意識を持たれることもなかっただろうに。なんでモモが相手だと本能任せ全開になるんだ?(苦笑

アイドルにとって、勝敗よりも大事なこと。
そもそも、ただ戦って勝つことが一番重要な事だったら、彼女たちはアイドルなんて呼ばれて持て囃されてはいないんですよね。それなら、あくまで格闘技の一つの分野に過ぎなくなる。アイドルが求められているものは何なのか、という答えは最初はアイドルついて無関心で何も知らなかったモモがアイドルを続けようと思った動機と重なっていたのだけれど……あの最後の笑顔を見てしまうと、体格やセンスなんかを抜きにしても、この子は天性のアイドルだったんだな、というのが伝わってきましたよ。それと同時に、いまいち単なるプロレスの発展型なのか? とその在り様が見えて来なかったアイドライジングの世界の楽しさ、楽しみ方というものもようやく理解できた気がする。

タキさんの本気宣言も出ましたし、今回戦う事となったムラサメ・キジョウを含めたオペラ・オービットの四人の頂点に立つアイドルたちもそれぞれキャラ立ちして存在感立ててくれましたし、此処に来て一気に世界観にドッシリとした安定感と広がりが出てきた感じ。
またオリンちゃんが、いいキャラになっちゃって。今回タキさんが導き手だとしたら、オリンはモモを後ろから支える役。此処ぞという時に、ヘコんだモモに喝を入れ、励ますのがあのオリンだとは……。その物言いは、モモのイイところも悪いところも全部わかってないと出てこない台詞ですよ。ホントにデレちゃってまあ。親友にしてライバルキャラが完璧に板についちゃいましたよ。

あとは、肝心のバトルシーンがもうちょっと魅せれるようになったらいいんですけどね。ちょっと文章的に派手さがなくて、動きがおとなしく、いささか盛り上がりに欠ける感があるのが勿体無い。これ、映像化すると意外と映えるのかもしれませんけどね。

しかし、最後のモモの変身は、あれ一発ネタにするには勿体なさすぎじゃないですか!? 絶対アイドルとしての売りになりますよ。場合によっては女性ファンの人気独り占め出来る勢いですよ!? 今後はその方向性で売りだしていけば、人気獲得間違いないでしょうに。
そもそもモモって、タキさん以上に同性の女の子に対して肉食獣なんですから、イケメン男装美少女路線は……あれ? なんかスキャンダル連発しそうでアイドルとしてはヤバいかしら?

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