ボーイ・ミーツ・ハート!2 −彼女のハートは純情可憐!?− (GA文庫)

【ボーイ・ミーツ・ハート! 2.彼女のハートは純情可憐!?】 鳥羽徹/H2SO4 GA文庫

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「――私と手を組んでみない?」

 少女は挑むようにそう言い放った。
 校内のどこかで非正規なPSYゲームを行う【会合】が開催されている――そんな噂の真偽を確かめるため、調査を始めた征司は、白宮織鶴と名乗る少女から協力を申し出られた。

 織鶴とともに【会合】へと潜入する征司。だが、彼はいままでに聞いたこともないような音色に出会う――それは織鶴の姉である白宮舞姫が奏でる心音だった。

 その音色の美しさの根底にある、舞姫の強靱な「覚悟」を感じとった征司は、なにが彼女をそうさせるのかに興味を覚え、独自の調査を開始するのだが――!?
おおおっ、やっぱり面白いよこのシリーズ! 単純な能力の強弱による力勝負ではなく、それぞれの能力の特徴を活かして繰り広げられる熾烈な駆け引き、裏の裏の裏まで読み合う頭脳戦。主人公がいったい何を仕掛けてくるのか、はたまた対戦相手がどんな能力を隠し持ち、それを如何に使ってくるのか。一手一手の読みと読みの凌ぎ合い、能力を看破し合い、また読まれたと判断した上での仕掛けと詐術。ただの「じゃんけん」や「鬼ごっこ」に此処までワクワクと手に汗握る事が出来るとは、いっそ喜悦ですらある。
いやあ、楽しかった面白かった。
一巻に引き続いてのやたらに笑えるテンポの良い掛け合いに相まって、肝心のPSYゲームもまたさらに切れ味冴え渡り、勝負の白熱度が上昇したんではないだろうか。
心音フェチの食えない主人公・征司くんの飄々とした態度は、個性的なヒロインたちに負けておらず、ある意味彼女たちを手玉に取りながら事態を派手に転がしていく。良い意味で曲者なんだよなあ。こと勝負に関しての性格の悪さ、騙しのテクニックは際立ってすら居る。これで女心まで弄び始めたら殆ど無敵なんだろうけれど、男女の感情の機微についてはいささか見識不足というのはまあ通常運行か。いささか致死量に達している気もするが。あれは死刑にされても仕方ない。女の子が黙って服の裾を握って見上げてきたら、察しろ!!
そんな主人公を唯一引っ掻き回せるのは、PSYくる委員長で従姉妹のとばりさんだけなんだろうけれど……どうやら天衣無縫の彼女にも一人だけ苦手にしている相手がいるらしく、その人相手では勝手が違うのか頭があがらない様子で……あれ? とばりさんってもしかしてヒロインではないのか? ちなみにその相手というのは主人公の兄らしいんだが、あのふてくされ具合を見ていると兄貴のこと嫌いだとか苦手だとかいうんじゃなくて、とばりさん兄貴のこと好きなんじゃね? などと考えてしまうのはラブコメ脳ですか?

【会合】に纏わる姉妹の顛末は、もう何というか感動的なのかそうじゃないのか、なかなか複雑怪奇でやっぱり笑ってしまった。なんてしょうもないw でも、本気だったんだよなあ。それこそ、征司が気になって仕方なくなるほどの覚悟を秘めた心音を奏でていたんだから。まあ本気でどれだけ覚悟決めてたって、内容がアレだとねえ(笑
一方で、妹ちゃんの選択の動機については、そのなんとなくさがとても素敵で〆としてはとても爽やかで心雪がれる読後感でした。これは、先々も楽しみなシリーズになってきましたよ。面白かった♪

1巻感想