ココロコネクト ニセランダム (ファミ通文庫)

【ココロコネクト ニセランダム】 庵田定夏/白身魚 ファミ通文庫

Amazon

新メンバーの千尋【ちひろ】と紫乃【しの】が加わり、来たるべき体育祭に向けて盛り上がる太一【たいち】たち文研部。だがそんな一大イベントを前に1年生のふたりはどこか浮かない顔をしていた。そんなある日、太一は伊織【いおり】から「未練がある」と告げられる。さらに周囲の言動から立ち上る強烈な違和感――信頼しているからこそ相手の言葉を疑いなく受け入れてしまう5人、そんなメンバーを陰で嘲笑うのは太一たちが予想もしない人物で……。愛と青春の五角形【ペンタゴン】コメディ、絆を貫く第5巻!!
案外あっさりと馬脚を現してしまったな、千尋。もうちょっと彼は複雑な内面を抱え込んでいるのかと、新登場時は穿ってたんだが、えらくホイホイと与えられた力に浮かれて調子に乗ってしまうことに。いや、もうちょっと慎重かつ狡猾にやんなさいよ。やり方も場当たり的でトータルとしてみての計画がないし、そもそも具体的な達成目標も立てていないものだから、完全に気分任せ。万能感に酔い浸って悦に入っているばかりで、「ふうせんかずら」もこれはあてが外れたんじゃないだろうか。どうも早々に千尋に関しては見きってしまっていたようですし。まあ、期待値がゼロだったからこそ最後に「ふうせんかずら」の面白い顔が見られる事にはなったんだろうけれど、あんまり千尋に関しては評価は出来んなあ。
千尋は兎も角として、紫乃は必死にゼロ地点から自分の力で這い上がって先輩方に憧れ追いつこうと努力はしたものの、ふたりとも心構えこそ入れ替えられたかもしれないけれど、まだまだ絆や信頼感という点においてはあの五人とは圧倒的な差がある。この差はスターチラインが違う時点で、どうやっても完全に埋める事は出来なさそう。あの五角形はほぼ完成形で、新たに加わる隙間や余地が皆無に等しい。

しかし、今回の彼らを見ていると、もう殆ど外部からのチョッカイではこの五人の関係性は小揺るぎもしなさそうだ。伊達に人間関係致死量のトラブルを短期間で3つ4つ乗り越えたわけではない、というのを圧倒的に示してくれたわけで。今更どうやっても彼らの関係にヒビを入れられるとは思えないだけに、ふうせんかずらがどう動くかが想像できないな。と言っても、もともとふうせんかずらの考えなどまるで分かりもしないのですが。何しろ、こいつも目的がサッパリわからんもんなあ。
今回は一年生二人が主体だったせいか、いつもよりもテンション低め。外からかき回すよりも、内からトコトコ煮こんでかき混ぜる方がやっぱり面白いのですよ。という訳で、次回は五人メインに戻してほしいなあ。そろそろ、ふうせんかずら当人の方に踏み込んでいかないと、物語も停滞してしまいそうな危惧もチラホラと。

シリーズ感想