その男、魔法使い”A” 1 (ファミ通文庫)

【その男、魔法使い”A” 1】 榊一郎/藤城陽 ファミ通文庫

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最強国家 VS 通りすがりの魔法使い“A”!?

一九九九年、アメリカ合衆国・国防総省――俗称〈ペンタゴン〉は、かつてない脅威に晒されていた。
世界最強の米海軍がなす術なく蹂躙されていく様を見せ付けられているのだ。
しかも相手は、魔法を操り、強大な僕たちを従えるたった一人の男――魔法使い“A”! 
まさに予言にある『恐怖の大王』のごとく破壊を撒き散らしながら米国本土を目指し進攻する彼の目的は――!? 
世界最強国家に挑む、ある魔法使いの戦いを描く、ハイブリッド魔導戦記開幕!
……どえええ!? え? どういう事なの!?
ラストの魔法使い“A”の名乗りを聞いて、唖然仰天。ちょっと待て、これって榊一郎/藤城陽のストレイトジャケットのコンビじゃなかったのかぃ。完全にストジャと同じスタイルの話になっていくのかと思っていたので、まさか「アレ」のスピンオフとは最後の最後まで気がつかなかった。確かに、ちゃんと読んでたらわかるようになってるのか、これ。もろにあの主人公とヒロインの二人、出てるじゃないか。
そうかー、これ年代も1999年ってなってるもんなあ。実際一昔前のあの人が主人公の話になるんだ。ってか、キャラ違うじゃねえか、“A”さん。と思ったが、クラリッサに踏み踏みされて悶えて悦に入っているのを見たら、確かにあの人だわ。……“A”さん、嫁に調教されてMになったんじゃなくて真正のMだったんだな。
まあこれ、スピンオフだとは全然気づかずに読んでいたものだから、意識はモチーフになった作品【バベル二世】にそっくりだなあ、最近連載している【バベル二世 ザ・リターナー】と同じコンセプトだよなあ(気になってチェックはしているものの、まだ読んではいないんですよね)、などとそちらの方に傾きっぱなしでした。あとがき読んだら、まさに【バベル二世 ザ・リターナー】のインパクトが原動力になったようで。あれも読んでおかないとなあ。
ライトノベルということで、まず間違いなくロデム役は少女だろうな、と思ったら案の定でした。って、表紙にも出てますもんね。あれが犬耳かと言われると判断しずらいのですが。ってか、“A”さん“A”さん、あんたちゃんとエーネさんという嫁がいるのに、同じワンコでもロリッ娘の方がいいというのか。うむ、あの無愛想でそっけない割にそこはかとなく献身的、というあたりがつぼを突くのは大変理解できるのだが。
一方で、あのクラリッサさんはもろにストジャのネリンを想起させて、微苦笑が浮かんできてしまった。いやあ、これ絶対にメインヒロインにはなれないタイプでしょ、クラリッサ。甲斐甲斐しいわりに本殿踏みこめないで衛星軌道を回るんだよなあ。ネリンがそうだっただけに、クラリッサの行く末も容易にまぶたの裏に浮かんでしまう。せめてこれがあれのスピンオフじゃなかったら、まだ希望も持てたんだろうけれど……。

さて、肝心の内容はまだプロローグと言えばプロローグだし、映画の予告編と言えば予告編か。とにかく映像的にはド派手に動くものの、実際に何が起こっているかについてはまだスカートの端をピラリと捲って見せた程度の開帳程度。魔法使いVS地上最強アメリカ軍! というのはぶっちゃけどうなんだろう。本土上陸したあとは、何やらアメリカ版ゴジラみたいなのを連想して投げやりな楽しさを得てしまったが。“A”さんもやんちゃしすぎだよなあ。というか、あそこまで露骨に軍隊に喧嘩売らなくても、と思ってしまうぞ。彼ほどの実力があれば、わざわざ正直に相手なんぞしてあげなくても、どうとでもこっそり忍びこめただろうに。いくら結界が仕掛けられているとはいえ、あの人の性格の悪さなら幾らでも騙くらかす事が出来そうなのに。まあこの頃は強引に大暴れしてやんちゃしたい年頃だったんだろうなあ。もうこの時点でお若くない気もするんだが。

いい加減この時点でやりたいことをやってしまってるような気もするんだが、ここからどういう展開になるんだろう。特撮映画からサスペンスアクション映画に移行するのか?