Landreaall 19巻 限定版 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

【Landreaall 19巻 限定版】 おがきちか IDコミックス ZERO-SUMコミックス

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ついに女神杯が始まった。
順調に(?)勝っていくDXだったが、試合が進みレベルが上がっていく中で弱気になるDX。
今回の試合のためにお世話になった人たちに失礼じゃない負け方ができればいいとフィルに告げる。
はたしてDXの考えどおりに馬上槍試合は進むのか――?
ウマーー!! 馬すげえ、ランドリの世界だと馬は馬でもぜんぜん違うのか!!
てっきり、レディ・アプリだけが特別賢いのかと思ってましたが、表紙裏のランドリの世界での馬の解説を見て納得。この世界の馬は家畜じゃなく、人間と対等の社会性を持った知的生命体だったのです。人間以外では珍しい「信仰」を持つ生き物、というだけでも驚き、というか何か価値観からひっくり返ってしまう設定なんだが(他に犬やらクジラやらがそうなんだそうな)、人間のもとで働いている馬たちは飼われているのではなく、長期契約で雇われている、つまり就職しているというという事実には唖然としたものだけれど、そうと理解してから作中で描かれている馬と人間たちとの接し方を見るとなるほど、色々と腑に落ちる。
おっもしろいなあ!!
馬ひとつとっても、こんな設定があるなんて。このランドリの世界観って一般的なファンタジーと似ているようで、ところどころ根底から価値観違うところがあるんで、面白くって仕方がない。見たことない世界ですよ。

さて、その特性から馬と相対すると何故か馬のほうがカチンコチンに固まってしまうDX。お陰で今までろくに馬に乗ったことがなかった彼が、レディ・アプリのお陰で何とか馬上槍試合の予選は突破できたものの、本戦は最初から諦め気味。というところから19巻再開。ちょっと前回までの細かいところを忘れていたので、冒頭の「お兄が薄くなってる!?」というイオンの台詞の意味がわかんなくて戸惑ったのですが、読み進めて理解した。薄くなるってそういう意味かw 兎に角レディ・アプリにすべて任せて、DX自身は槍を構えた添え物として徹しているため、自己が薄くなってる、という意味だったんですな。このレディ・アプリがまた達人なんですよね。いや、達馬とでも言うべきか。見る人が見ればわかっているみたいだけれど、足さばきとか間合いの図り方とか、馬上のDXの動かし方とか、凄いのなんの。とは言え、本戦に入り上位に入るメンバーは練達揃い。幾らレディアプリが凄脚だとは言え、馬上のDXが素人な以上そうそう勝ち残れるわけがないのだが……悲喜交交ありまして、何故かDXが勝ち進むことにw
わりとこのへん、勝つ側のDXよりも、負ける側のレヴィとかワイアットの方がそれぞれの話の主役になってるんですけどね。DX、ある意味引き立て役(笑
それでも、結果として決勝に残ってしまったわけで……当人、勝ち進む気なかったから何も考えておらず直前まで忘れていた花冠の乙女の選出をいきなり迫られることになってしまうのでした。
と、ここで私も完璧に忘れていた、ディアに関する相談をしたためたリドへの手紙が、回りまわって今更のようにリドの手元に届き、しかもなぜかその手紙、竜葵を経由していて、DXへの返信がしたためられているという始末。
まさか、まさかあの相談の応えを竜葵が返してくるなんて。うおおおい、それってアリなのか!? しかも、内容がまたとんでもなくって、大爆笑ですよ、大爆笑。いやこれ、笑ってイイところなのか分からない場面なんだが、あれは笑うだろう。だって竜葵兄さんですよ!?
しかし……DXってばディアのこと、あんなふうに捉えてたのか。なるほどなあ。
それが、このタイミングで。わざわざこのタイミングで、ってのがまさに運命だ。言い切るのは難しいけれど、DXのこんな顔、久しぶりに見た気がする。真面目な、真剣な表情はこれまでもあったかもしれないけれど、あんな風にじっと誰かの面差しを見つめる表情は。
DX,本気だ。


それとは別に、王様の話も進行中。スレイファン卿とDXの対話はこれも興味深かったなあ。言うなれば、この国の大人たちの多くは、次の世代の子供達に王国の将来の選択を託したのだ。あくまで託したのであって、丸投げじゃないのが味噌。子供たちが選んだ道を、この大人たちはこぞって支え手助けしようとてぐすねひいて待っている。待ち望んでいる。待ち侘びている。
期待と希望に胸を膨らませて。そう、膨らませて心躍らせるくらい、次の世代を担う若者たちの姿が輝いてるんだろうなあ。きっと、継承権を放棄した時はまだ不安がいっぱいで、諦めも半分で、だからこそ荒んでいたんだろうけれど。王政反対派だというスレイファン卿から、あんな言葉を投げかけられた日にはね。一つ間違えれば背負わされる重荷になりそうなものだけれど、この大人たちはちゃんと一緒に背負ってくれる覚悟だもんな。頼もしいよ。
頑張れよー、フィル。

さあ、盛り上がりに盛り上がった所で次回への引き。毎度毎度、次の巻が楽しみすぎますってば、このイケズ。

おがきちか作品感想