キャットテイル・アウトプット! 2 (MF文庫J)

【キャットテイル・アウトプット! 2】 神野オキナ/西E田 MF文庫J

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ネコミミ宇宙人の少女・メアリーを護衛しつつ“聖メラヴィア女学院”に女装して通うことになった次元捜査官・七文字綴。類い希な容姿のおかげで、他の女性徒から熱いアプローチをかけられるなど、なんだかんだ言って華の女学園生活を楽しんでいるかに見える(?)彼の前に、かつての同僚が現れる。彼女の名前は十見レイカ、同じ次元捜査官候補生の中でも1、2を争う戦闘力を持つレイカが女学院を訪れた理由とは…!?一方メアリーを狙う新たな敵が出現。オルティオート教授を利用し襲撃を企てるのだが―!?ネコミミ×猟犬の本格アクション第2弾登場。
粗筋では次元捜査官になってますけれど、これって時限特捜官の間違いじゃないかしら。本文中ではそうなってますし。ウェブサイト上だけの誤植じゃなく、本の裏表紙のあらすじでも同じ事になってるのですがこれ如何に。

さて、本編の方ですが、一巻に引き続きスパイアクション、謀略サスペンス、要人警護モノとして実に素晴らしい出来栄えになっている。面白い面白い♪ 今回から明確な敵役、それも明確に邪悪で奸智に長けた悪魔のような存在が、悪意たっぷりに陰謀を仕掛けてくるので、ハラハラしながら陰惨な謀に立ち向かうメアリーたちを手に汗握りながら見守ることになる。まさにエンターテインメントだ、これ。
一巻の感想でも言及しましたけれど、主人公の綴がライトノベルでは珍しく、アマチュアではなくプロフェッショナルであるために、色々と安心して見ていられるんですよね。いきなり突拍子も無いわけの分からない行動に走ったりしないですし、その適格で冷静な判断力には警護対象のメアリーだけでなく、読んでいるこちらも信頼を以て見ることが出来る。それでいて、歳相応の愛嬌もあるんですよね、この子。キャーティアからの技術提供によって、スパイ映画や小説、漫画などではよく見かけるようなアイテムをプレゼントされた時など、メチャメチャ喜んでましたし。あれは使える道具を貰ったからという実益に基づく喜びじゃなくて、どちらかというと趣味の領域とか玩具を貰った子供みたいな反応でしたもの。普段は常時ニュートラルに微笑んでます、みたいな綴が珍しくウキウキした様子だったのには、思わず微笑ましいような感情が(笑
そんな可愛げのある部分に加えて、今回はさらにイケメンな一面を見せてくれました。もし、プロならば冷徹な判断に徹しなければならないところを、決して妥協や甘い判断、願望よりの決断ではなく、キッチリとプロ意識を持ったまま、プロだからこそ身体だけではなく、クライアントの心も守るのも仕事だ、と決して見せる。無理をしているわけではない、あくまで自然体のスマートな言動には、惚れ惚れします、というか惚れるわw
いやあ、此処まで来るとイケメンすぎて、女装してるとかしてないとか、もうあんまり関係なくなってきてるんじゃないでしょうか。実のところ、綴ってあんまり女っ気感じないんですよねえ。逆の男っぽさもあんまり感じないのですけれど。なんかもう、性差を超えたところにかっこ良さがあるような。
一方の守られる側のメアリーことメルフィンも、守られているだけのお姫様なはずもなく。彼女がキャーティアの地球へのファーストコンタクトという重要な任務を与えられた船のナンバー2、副長の役職を任され、船長の不在時には一時的にとは言え総責任者としての責務を果たした人物だった、というのを改めて思い出させていただきました。普段は大人しいくらいで考えすぎるきらいのある娘ですけれど、ここぞという時の肝の据わり方はやっぱり小娘とは程遠いんですよね。このお嬢様学校に通う令嬢たちは、立場に絡んで多かれ少なかれ非常には慣れている凄い人達なのですが、それでもメルフィンの危地における土壇場の度胸と機転は輝いていました。
相変わらず、アシストロイドの可愛さは異常。レイカに正体バレたときの「みた?」には悶絶。その反応はかわいすぎて、もう凶器だww
戦力的にももう一人の時限特捜官候補であるレイカがガードに加わったことで、一先ずは息をつけそうか。今回だって彼女が付いててくれなければ、綴もかなり行動選択の幅が狭まってしまっていたでしょうし。まだキャラクター的には、今のメルフィンたちの人間関係に踏み込んでくる前段階ですけれど、スカーレットとも次くらいからはもっと関係深まりそうですしね。レイカ自身も、妹を失った傷に纏わる虚無が癒されるエピソードなんかも期待できそうですし……さても次巻からの盛り上がりがまた楽しみであります。

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