まおゆう魔王勇者 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」 (2) (角川コミックス・エース 264-5)

【まおゆう魔王勇者 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」 (2)】  石田あきら/原作:橙乃ままれ 角川コミックス・エース

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人間と魔族の戦いに終焉を――。その想いで手をとりあった魔王と勇者。その道は決して平坦ではない。それでも彼らは歩みを止めることはないのだった。ネットを沸かせた異色ファンタジー第2巻登場!
まおゆうのメディアミックス展開がはじまってからこっち、コミカライズはいったい何作出てるんだってくらいに何作も出ているのだけれど、これチェック出来た範疇は概ね良作だから何気に困る。元ネタ原作がスレッドタイプの書き物なだけに、漫画化において想像をふくらませる余地が多分に在るがゆえに、同じストーリーラインでありながら各作それぞれに演出表現が異なってきていているのである。お陰でこのこっちの人はこの場面をこんな風に描いてるのか、などとそれぞれに楽しめたりするので、これがまた困るのである。キャラクターのデザインも結構変わってきているので、それらを比べてみるのもまた楽しみだったり。特に火竜公主はみんなイメージ勝手に膨らませてるよね。
この石田版では中華風のちょっと幼げだけれど勝ち気そうな容姿がまたタマランです、はい。
そんなこんなで各種出ているまおゆうのコミカライズですが、その中でも本作は先鞭をつけただけあってか、やはり一際面白い。元々実力あるベテラン作家というのもあるのでしょうが、この作中にグイグイと引き込まれていく感覚は心地いいの一言。戦闘シーンもさる事ながら、白熱迫真の交渉シーン、紅の学士と青年商人の初顔合せのあのシーンなど、魔王言うところの「女におべんちゃらを言っている時よりもよっぽどいい顔」を始めとして、交渉決裂の際にはそのまま命のやり取りへと発展しかねない緊張感漲る緊迫した鬩ぎ合いが見事に描かれていて、文字通り手に汗握らされました。
一転して、魔王と勇者が久々に再会した祭りの夜。二人が広場から聞こえてくる祭りの調べを背景に、雪の降るなか二人きりで寄り添いダンスを踊るシーンなど、しっとりとして静かなラブシーンがこれまた情緒的、幻想的に描かれていて、この緩急がまたたまらないのです。
魔王と女騎士、勇者を巡る恋のライバルである二人の間に育まれていく友情もまばゆい。女騎士がまたかっこ良くて可愛いんですよー。
次はついに第二次極光島奪還上陸作戦の開始。本格的な戦争シーンが描かれそうで、また楽しみです。

しかし、冬寂王がちゃんと若いイケメン王子に描かれていてホッとしましたよ。おっさんのヒゲ王子なんぞ、スレイヤーズのセイルーン聖王国のフィル王子だけで十分ですわぃ。