死にたくなければ××! 脱ぐのは絶対にイヤ! (一迅社文庫 は 5-8)

【死にたくなければ××! 脱ぐのは絶対にイヤ!】 葉原鉄/八坂ミナト 一迅社文庫

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魔獣を唯一倒しうる武具フェザリング・ギア。其を纏いしは若き狩人ファルコネットたち。
ファルコネットになったばかりの少年カムトは、美しく成長した幼なじみの姉貴分と再会するが、彼女は自分のことを覚えておらず、そっちがその気ならばと彼女の部屋に忍び込み下着に細工をしてしまい……。
土属性の葉原鉄が贈る、バトル着替えファンタジー!
てっきりタイトルから、危機的状況にヒロインが脱ぐことを強要される展開が待っているのかとドキドキワクワクしていたんだが、特にそんなことはなかったぜ。
……なかったんだ。
が、がっかりなんかしてないもんね! 嘘です、しました。
何しろ書き手が美少女文庫出身で前作でも結構エロエロな展開を書いていた葉原さんでしたからね、そういうシチュエーションをメインに描いた作品を書いても全然おかしくはなかっただけに、期待してしまいました、ええ。
まさか、単なる一場面からの抽出をタイトルに持ってくるとは、それって二巻以降どうするんだ!? まあ、釣り餌としては十分に機能していたのですから(釣られた人\(^o^)/)、これはこれでアリだったのでしょうけれど。
肝心の内容はと言うと、ちょっとファンタジー入ったモンスターハンター? 主人公が根っからの下町のイタズラ好きなワルガキというのがキャラクター的にも珍しく、その主人公にあるまじき腕白っぷりはなかなか面白かった。実に直球な弟キャラなんですよね。普通はヒロインの弟という微妙な枠に追いやられそうなキャラクターなのに、それが主人公というのは結構興味深い試みだと思う。彼に絡むことになるちびっ子野生児姉ちゃんと、捻くれ美人の妹との関係も、普通の主人公・ヒロインのものよりもより兄弟という感じになっているのが特徴的。特に野生児姉ちゃんは、脳筋かと思いきや奔放で自由な振る舞いとは裏腹に思いの外心遣いが行き届いていて、実は繊細だけれど兄弟思いの優しい姉キャラが板についていて、良い感じでした。
妹ちゃんも生真面目に見えて、あれで荒っぽいところが多く、初見の印象とは裏腹にツッコミや制止役にはなっていなくて、何気に三人ともが行動力にちょっと溢れすぎているタイプなんですよね。なんだかんだとイケイケドンドンなトリオになってて面白い。生き別れだった姉妹が再会した時のゴタゴタから微妙に仲がギクシャクしているのを、姉貴分を追いかけてきたカムトが引っ掻き回すついでみたいに、上手いこと間を取り持っていく展開になるのだけれど、このカムトがまたヤンチャな少年だけに仲を取り持つといっても細かく気を使うようなやり方ではなく、思ったら即行動みたいな動物的なそれだったりするのが、けっこう気持ちよかったり。
変に気を使いすぎないあたりが、姉弟らしい距離感の近さなのかしら。
いずれにせよ、ちっちゃい姉ちゃんとでっかい妹、そしてヤンチャな弟のトリオは随分としっくり馴染んでいて、あとがきによると取り合いにはならず、このトライアングラーのまま行くらしいけれど、むしろそうあるのがピッタリ収まる感じのする三人組に仕上がったんじゃないでしょうか。このままワイワイ賑やかにやってくれたら続きも楽しみかも。