ストライクウィッチーズ アフリカの魔女 (角川コミックス・エース 358-1)

【ストライクウィッチーズ アフリカの魔女】  野上武志 角川コミックス・エース

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公式同人誌として世に出ていた【アフリカの魔女】、【砂漠の虎】に書き下ろしの【書類戦争の魔女】が付け加えられて、ついに商業版として登場の【ストライクウィッチーズ アフリカの魔女】 。冒頭の序章なんかもこれ、書きおろしか? 同人誌版のアフリカの魔女では見ませんでしたし。総集編版は見てないしなあ。ってか、マイルズ少佐のフルネームが出てますよ!!!

殆ど女性がメインとなっているストライクウィッチーズの各シリーズの中で、唯一といってイイくらい男臭いのが野上さんが手がけるこのアフリカ戦線シリーズである。唯一通常兵器が通用し得る戦線ということで、魔女ではない普通の男の軍人たちが、魔女たちと肩を並べて戦っている戦場を描くこのシリーズ。熱い、とにかく激熱なのです。

男連中の台詞は、魂を揺さぶる名台詞の数々。

シンプソンくん要約してくれ。この心躍る状況を!

我々が全滅するまであと30分――
我等が女神到着まで1時間――

なにか問題があるかね?


【アフリカの魔女】におけるハルファリア峠の激戦は胸熱なんてものじゃありません。史実では枢軸と連合が地獄の釜を開いたような戦いを繰り広げたこの場所で、国の境なくネウロイと戦う人類軍。蹂躙される英国兵を、ドイツ兵たちがトミーを助けろ!と叫びながら援護するシーンなんぞ、泣けてくるくらい。
アニメ本編ではなかなか味わえなかった「死戦」が、人類の存亡がかかった戦いという実感がイヤというほど味わえるのです。
でも、その戦いは絶望の戦いではなく、希望をたぐり寄せるための戦いだというのが伝わるのが、次の【砂漠の虎】におけるパットン将軍のこのセリフでしょう。
この戦いは軍人の戦いではない。人類の戦いだ。

あがりを迎えた一人の元魔女と、彼女をずっと追いかけ見守り続けた男の、戦場に花咲く愛の物語。なぜ、まだ幼い少女でしかない魔女たちが、銃を取り、死が満ち溢れる戦場で戦い続けるのか。まだ戦う理由が見つけられない新兵の魔女であるシャーロットが、フレデリカとミハエルの姿を通じてその答えを見出し、無垢で何も知らない女の子から一人の女性に花開くこの物語は、同時に魔女に戦わせて何の力にもなれない男たちの悲哀と、そんな男たちの愛情を受けているからこそ戦える魔女たちの、それぞれの戦争が描き出された物語だ。
そう、これこそが
これこそが「人間の戦い」なんだって事を―!


書き下ろしの【書類戦争の魔女】は、現場ではなくデスクワークのお話。ウィッチーズだって軍隊という巨大官僚組織の一員である以上、膨大な事務処理作業からは逃れられません。隊長職ともなれば、様々な決済や手回しててんてこ舞い。このアフリカ軍団で加東圭子が隊長を務めているように、幾つかの総合戦闘団でも上がりを迎えた元魔女が引き続き隊長職を継続して務めているのには、前線での戦闘以外でも地上において重要な戦いを繰り広げる必要があるからでしょう。まあ、マルセイユにこれをやれってのが無理だよなあ。
そんなてんてこ舞いの加東さんのもとに送り込まれてきた救いの神が、主計中尉の金子さん。この人、いいキャラだなあ。おケイさんも言ってるけれど、こういうタイプは日本…扶桑陸軍には珍しいはず。年下の小さい女の子のウケがいいというのもよくわかるんだが、おケイさん、その誤解は色々と可哀想すぎるぞw