【Amazon.co.jp限定カバー】俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 4 (GA文庫)

【俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 4】 裕時悠示/るろお GA文庫

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「さあ教えてよ。本当にキミが好きなのは、どの子だい?」
 鋭太の伯母・冴子の爆弾発言で、四人の乙女に緊張が走る。その問いに対する鋭太の答えは……。

 そんな中、ある海岸で行われる冴子のゲーム会社主催のミスコン大会で、四人は勝負をすることに!?
「勝ったコが嫁だからね!」
 あくまで偽彼女を演じる真涼、怪しむ千和、ギュッと抱きつくヒメ、婚姻届にハンコをせがむ愛衣――。
 勝利するのは果たして誰?

「さあ鋭太。修羅場とハーレム、どっちがいい?」
「どっちもお断りです」
 裕時悠示×るろおが贈る、甘修羅らぶ×らぶコメディ第4弾!
ギャルゲ・クリエイターを生業としている伯母の冴子さんにあっさりと偽装カップルだと見抜かれてしまった真涼と鋭太。千和たちの間に膨らむ疑惑を払拭するために「自演乙」の合宿にてより恋人らしく振舞おうとする二人だけれど、所詮上辺だけのやり取りではうまくいく筈もなく、余計に疑惑を深める結果となってしまう。
ところが、面白い事に偽の恋人関係というメッキが剥がれれば剥がれるほど、その剥がれた下から現れてきたものは、鋭太にしても真涼にしても相手への無関心やドライな感情などではなく、相手を想う気持ちだったりするのである。ここで剥がれていくメッキというのは、周りに対する体裁であると同時に、鋭太や真涼が自身に抱えている恋愛への嫌悪感、つまりは自分は恋愛なんかしないという頑なな鎧であり防衛線だったのです。それが剥がれてしまうと言う事は、それだけそれぞれが持つこれまで抑えこんできた、否定してきた、無かった事にしていた素直な気持ちが表に溢れ出してしまうということ。
皮肉なことに、メッキが剥がれたそこにあったのは、限りなく本物に近い恋愛感情であり、本物に近い恋人同士という姿なのでした。図らずも千和たちは、疑惑を募らせたせいでただでさえ危うくなっていた真涼と鋭太の心のダムを決壊させてしまった、とも言えるのです。
もはや、当初に比べて鋭太と真涼が本心として自身に課している建前は、書割程度の薄さになってしまっています。この段階まで来てしまうと、もはや決着は時間の問題といっていい。千和は此処に来てようやく鋭太たちの関係への疑念を確信に変え、自分が割って入る余地があると見て本気で仕掛けてきましたけれど、残念ながらこれ、タイミングとしては遅すぎたと言っていいでしょう。もっと早い段階なら、少なくともヒメが介入してくる前後までならまだ可能性はあったはず。でも、今となっては遅すぎる。鋭太、選んじゃってるもの。建前が鋭太と真涼に思考に行き止まりを作ってしまっていますけれど、その言動は既にもう二人はお互いを選んでしまっている。この「建前」があるから鋭太は気持ちをはっきりとできていないのですが、実のところ鋭太ってそれほどふらふらと優柔不断にはしてないんですよ。むしろ、事態をややこしくして修羅場化させてしまっている大半の要素は真涼の方にある。彼女の気の置けない友達関係への憧れと、強制による偽装という関係への鋭太への負い目、嘘を付いているという千和たちへの引け目が、なあなあの関係を許してしまっている大きな要因になっていると見ていいでしょう。
千和に可能性があるとすれば、彼女のこの負い目を突く事しかないんですよね。真涼が鋭太に対して建前を維持できないほど本気になってしまった今だからこそ、その負い目は余計に深くなっているはずですし。
まあでも、女の子たちがどう四苦八苦しようとも、ぶっちゃけ大勢にはもう影響しようがないんですけどね。どうやったって、最後に選ぶのは鋭太であって、彼女たちじゃないんですから。

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