身代わり伯爵の婚前旅行  II狙われた花嫁 (角川ビーンズ文庫)

【身代わり伯爵の婚前旅行 2.狙われた花嫁】  清家未森/ねぎしきょうこ 角川ビーンズ文庫

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アルテマリス入りした途端に誘拐!?そんな手荒い歓迎を受けたミレーユは、首謀者ジークから花嫁の介添え人である、薔薇の乙女の大役を任せられることに。ところが、シアラン国宝・蒼の宝石が盗まれる。ミレーユは、大公の婚約者としてお姫様ぶりっこ生活を送りながら、リヒャルトに秘密で潜入調査に乗り出す!!だが、時を同じくして、花嫁を狙った陰謀も動いていて!?国を超えた筋肉バトルも開催!?『婚前旅行編』第2弾。

やっと、やっとアルテマリスに帰って来たミレーユ。やあ、リヒャルトを追いかけてシアラン公国に向かった時には、これだけ長い間帰れない事になるとは思わなかったもんなあ。しかも、まさかのシアラン大公の婚約者としての帰還である。ミレーユを知っている人たちにとっては、一体何がどうしてこうなった、って感じでしょうねえ。しかも、あの活発が過ぎて暴走気味のハチャメチャ娘が、いっちょ前に色気を醸しだすようになった上に、周りの目も憚らずにリヒャルトとイチャイチャ時空を形成する始末。あのジークが唖然としてしまうくらいだから、変わりも変わったり、だろう。ミレーユはぶっちゃけ、何処に居てもあんまり変わらないのだけれど、リヒャルトがシアランに居る時よりもどうもリラックスしている節があって、その分余計にミレーユにベタベタしてるんですよね。お陰で近年稀に見るイチャイチャ度で、好い加減自重しろw まあ、立場や責任のあるシアラン公国と違って、一騎士として過ごしていたここアルテマリスでは、今尚同輩として接してくれる仲間もおり、家族同然に扱ってくれるアルテマリス王族の皆も居てくれるわけで、そりゃあシアランよりもだいぶ気楽なんだろう。エドゥアルトがなぜかまだ来てないので、ミレーユパパの御目付けがない、というのも自重しきれていない原因の1つか。

そういや、ジャック団長がまたエライ人に懸想してしまって。あんた、死にたいのかおい。って、団長ってば相手の素性気づいていないのか!? ミレーユ・ママその人を連れに行ったんじゃなかったんかい。気づいていてメロメロになっているのなら、それはそれで質が悪いぞw ただまあ、団長の失恋は決定的とは言っても、なぜここで団長のいつもの悪い癖の相手がミレーユ・ママだったのか、というのは注意しておくべきなのでしょう。もしかしたら、ミレーユとリヒャルトに先駆けて、ミレーユの両親の件が片付くフラグかもしれないな。

さて、アルテマリスに帰ってきた事によって、セシリア様関連もひとつの区切りがついたかな。ようやく、兄と妹として接することの出来たリヒャルトとセシリアの二人のひとときに、心もほんわか。異母姉のアノ人とも、どこまで真実を知っているのかわからないけれど、姉妹の契りを結ぶことに選って昔と同じような関係を取り戻すことが出来たわけで。でも、セシリアは今更元の身分を明かすことはやっぱりできないのか。まあ今の身分のままの方が、フレッドとはうまく行きそうだけれど。さすがに、ベルンハルト公爵家の子息二人共をシアラン公国家の人間と結婚させるというのはややも問題視されかねないですしね。セシリアがアルテマリス王家の王女という身分のままなら、まだ丸くおさまるでしょうし。
そのフレッドだけれど、彼のリディエンヌ様への思慕って本物だったの!? てっきり、フリなんだと思ってた。ジークとリディエンヌの結婚が正式に執り行われる傍らで、らしくなく黄昏るフレッドの姿に愕然。いやいや、似合わないから似合わないから。と言う事は、彼のセシリアへの感情って本当に忠誠心の方が多めのそれだったのかしら。うむむ、これはセシリア、思ってたよりも苦労するのかも。まあ彼女は彼女で今回の一件を通じて覚悟完了したみたいだけれど。頑張れ、お姫様。ミレーユよりも遥かに先行き大変そう、というのも妙な話ですけれど。

表紙は相変わらず男装短髪のミレーユですけれど、作中挿絵の彼女は仄かに色気が匂い立つような、実に女性らしい女性として描かれていて、改めて見違えたなあ、と実感させられました。過労で倒れたあとでリヒャに看病してもらうシーンの挿絵なんか、もうねえ……あきまへんあきまへん。歯が溶けるw

前巻でミレーユを助けてくれた謎の少年の正体は結局この巻では明かされないままの上、以前の記憶封印の魔術の伏線まで出てきて、また不穏な空気が流れだしていますけれど、それより何より、そろそろリヒャの理性が限界に近いっぽいので、早く結婚させてやれよ、と思う今日この頃でした(笑

シリーズ感想