変態先輩と俺と彼女2 (富士見ファンタジア文庫)

【変態先輩と俺と彼女 2】 山田有/犬洞あん 富士見ファンタジア文庫

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俺の幼馴染みである涼風せしるは、天才で、「どうだね、柊一君。私の水着は。ギリギリの節度を保っているだろ?恥じらいながらも大胆な心配りだよ」「そんな心配り要りません」―変態でもある。
俺たち“ハーレム団”と完璧系女子・水谷詩緒里はとある事件をきっかけにプールに遊びに行く事に。俺はそこで詩緒里に水泳による恋愛勝負を挑まれる。しかし、せしる先輩の参戦によってそれが何故か賞品は俺(!?)な水泳バトルロイヤルに発展し!?
一方、俺の周囲では不審な影がちらついていた。プールから帰宅した俺を待っていたのは、バスタブに薔薇を浮かべて笑う謎の魔性系銀髪美少女で―!?ドタバタ青春ラブコメ第2弾
森ガールって、いつの時代の流行りだよ(笑
一応、泳げない森ガールという新キャラが登場したものの、男の娘さんや噛み噛みのかへらへちゃんと同じく賑やかし要因で、あくまでメインはせしる先輩と詩緒里の二人、だと思ったらなんかやたらと変なのが出てきたぞ!?

相変わらず、この人の文章のテンポはリズムが良すぎて、読んでいるだけでぽわぽわと多幸感が湧き出てくる。第一作の【スノウピー】の頃からこの吸い込まれるようなテンポは変わらないんだけれど、なんなんでしょうね、これ。あまり他に類を見ない独特のテンポなんですね。ちょっと方向は違うものの、比嘉智康さんなんかは似たような感じかも。韻を踏んでいる、というのとは少し違うんだけれど、俳句の575みたいにリズムに乗って読めるような言葉の配置がなされているのかもしれない。
もしくは、音読して読み聞かせることを前提にした絵本、みたいな感じで読む側のリズムを強く意識しているような。この人の著作を初めて読んだ時、どこか童話めいた感覚を抱いたのだけれど、それは単に内容から得た印象ではなく、文章の書き方にも理由があったのかもしれないなあ。
何れにしても、この『間』の絶妙さは特筆に値する。この『間』こそが作品全体の雰囲気のみならず、キャラクターの愛らしさを引き立たせる強力な要因になっているのだから。

もうね、せしる先輩と詩緒里の可愛さは、異常。異常。異常w
詩緒里はそりゃもうこれでもか、というくらいのツンデレキャラなんですが、デレが強すぎて、ツンツン台詞の途中で物凄いデレ台詞をダダ漏れさせてしまう有様で、素直になりきれないのがツンデレキャラのはずなのに、もう貴方それおもいっきり素直に本心ぶっちゃけてないか? という娘さんなのである。自称完璧系美少女なんだが、まさに自称(笑)
一方のせしる先輩も、素直は素直なのですが、素直が高じすぎて明後日に行ってしまっているのがこの天才少女なのである。柊一のことが大好きすぎて、言動がどうしようもない変態の領域にまで突破してしまっているので、柊一もいささかドン引きせざるを得ないという悪循環。普通にしてたらいいのに、まあ普通で居られないのがこの人の良い所でもあるのですが。でも、すぐに暴走する割に意外とすぐ凹むんですよね。自信満々に見えて、何気に繊細だったりするのです。まあ、わりとすぐに復活するのですが。上下幅の大きいヒロインであるw
【のだめカンタービレ】ののだめと【めだかボックス】のめだかちゃんを掛けあわせたようなキャラとか言ったらダメですか?
そんな二人に振り回される形になる柊一くんですが、この子も振り回されてるだけの子じゃないんですよねえ。意外と強かに楽しんでる素振りがあるんですよね。先輩の抱きまくら、結局使ってるっぽいし!!
それに、結構独占欲も強いようで、せしる先輩のあられもない姿が衆目にさらされるかもしれないピンチの時には、「俺以外の誰にも見せるなーー!」というあらあらまあまあな台詞を咄嗟に吐いてしまうようなところもあり、草食という草食でもないんだし、いい加減食べてあげりゃあいいのに、と思わないでもない。きっと、焦らしプレイだな、うん。

とまあ、放っておいてもそのうちニャンニャン初めてしまいそうな三角関係のところに、引っ掻き回し役と思われる新キャラが投入されたのはどういう意図なのか。まあかへらへと森ガールは何の起爆剤にもならないし、せしる先輩は明後日の方向に突っ走り、詩緒里は勝手に自爆し、とある程度状況を動かすための刺激物が必要になってきたと考えるべきなのかしら。

1巻感想