修羅場な俺と乙女禁猟区2 (ファミ通文庫)

【修羅場な俺と乙女禁猟区 2】 田代裕彦/笹森トモエ ファミ通文庫

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だって、わたしが《正解》なんですから!

学生ならば誰もが心を躍らせるであろう夏休み。だが、遠々原節【をんどうばるせつ】はひとり晴れない気持ちを抱えていた。天海崎【あまみさき】の一件以来、さして状況に進展もないある日、父・十慈郎【じつじろう】がいきなり宣【のたま】ったのだ。「あとひと月の間に正式な婚約者を選べ」などと! 相変わらず拒否権無しの状況に節は、翌日からの臨海学校で決め手を得ようと考えるのだが……しかし婚約者候補の彼女たちも、これ幸いと勝負に出てきて――!? 魅惑のデッド・エンド・ハーレム待望の第二幕
……ええ!? そんな大前提から疑わないといけないの!?
しまったなあ、読んでいるこっちも節と同じく先入観に囚われていた感がある。これって、実のところキッチリとした数学みたいな答えのあるゲームじゃないんですよね。そもそも、十慈郎の最初の命令からして、これだけ解釈の余地があったら、どこまで信じていいかわからない。あの爺さんの言い方からすると、今回の展開は完全に予想外だったもんなあ。
これ、もう一度一巻を読み返して、爺さんの最初の指令を読み返して正確に把握しておきたいところなんだけれど、ものが何処に行ったかわからない。掘り返すとなると大仕事になっちゃうんだよなあ。
というのも、これ、五人の婚約者候補の中に、最初に主人公が捉えた形の「正解」っていないんじゃないだろうか、という感触が伝わってきちゃったんですよね。だって、あの指令から連想する正しい「正解」って、どう考えても奥有楽乙音じゃないですか、今回の。それが、こういう形で終わってしまったとなると、もう普通に本当に節を愛している、という相手が残る三人からはとてもじゃないけどイメージデキないんだ。
これ、五人の中には爺さんのいう正解って居ないんじゃないのか?
それでも、なおデッドエンドを回避できる正解があるのだとすれば、それは先入観を取っ払った先に既に明々白々に存在しているような……。
ぶっちゃけこれ、睦月が正解だったら、面白いんですけどね。睦月だったら、現状で既に条件をオールクリアしてるんだけれどなあ。と言いますか、一巻二巻と表紙見たら、明らかに睦月がワントップでメインヒロイン扱いな気がするんですけれどねw

今回の節くんは、殆どいいところ無く自爆に近い形で仕掛けられたトラップを踏み抜き、ゲームオーバーになりかける、という無様を晒してしまいました。これ、デッドエンドを回避できたのって殆ど偶々だったもんなあ。傍から見ててもみっともない悪あがきで、なんとか瀬戸際でゲームオーバーを回避した節ですが、そこから転んでもただでは起き上がらずにしぶとく成果を獲得したのは、さすがと言ったところですけれど。
それに、大局的に見ると正解を外したとはいえ、これってデッドエンドを一つ潰したとも言えるんですよね。思えば、「正解を選ぶ」のではなく「不正解を潰す」あるいは「正解を作っていく」とすることこそが、この試練の解答の一つと捉える事も出来るんですよね。愛がないのなら、愛を芽生えさせればイイ。憎しみを、愛情へと変化させればイイ。節の立場からして気楽なのは、遠々原家と節とは別に運命共同体ではないということ。婚約者候補たちが抱いている憎しみの大半は遠々原家へと向けられたものであって、厳密には節とは分けて考える事も可能なんですよね。だから、彼女たちの憎しみを消せなくても、節にとっての味方になる余地は充分にある。節もまた、遠々原家を滅ぼす為に暗躍しているんですから、最終的な目的さえ同じなら協力だって出来るはず。場合によっては最大のパートナーにだってなれるかもしれない。まあ、そんなことを言っていると、節個人を憎んでいる娘が出てきそうですけれど。

1巻感想