龍ヶ嬢七々々の埋蔵金2 (ファミ通文庫)

【龍ヶ嬢七々々の埋蔵金 2】 鳳乃一真/赤りんご ファミ通文庫

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ニート地縛霊七々々ちゃんとの同棲にはだいぶ慣れたけど、ネトゲ三昧のせいで電気代がヤバイ。
なのに仕送りを止められてしまった! 
欲しければ《祭》に戻りなさいと雪姫姉さんは言うが、冗談じゃねえ! 
……だが金もねえ。仕方なく探したバイトはとあるブツの宅配。配達先は暗黒街《ツクヨミ街》。凄く嫌な予感が……。
一方、島の温泉郷に《遺跡》があると知った俺たち冒険部は攻略に向かう。
でもアレ、なんで雪姫姉さんも来てるの? 狙いはやっぱ七々々コレクション? それとも!? 
奇想天外トレジャーハント・ロワイヤル第2弾!!
はい、清々しいくらいの痴話喧嘩でした、おつかれさま。とでも言う他無い、親しいがゆえの意地の突っ張りあいでした。そもそも、雪姫姉さんと重護ってそこまで身近な存在だったんかい、というのが印象でしたね。だって、一巻読んだ限りだともうちょっとドライというか、身内にしてもちゃんと一線引いた関係に見えていたものですから、二人共がお互いが思った通りに動いてくれないこと、自身が相手の思う通りに動いてあげられないことにどんどんとムキになって、頑なになり、凹んでいく様子にアレアレ? と結構面食らったものでした。傍から見てもそれなりに分別の付いた関係に見えてたくらいだから、当人同士も自分たちはもうちょっとシャンとした関係なのだと、思い込んでたんだろうな。ところが、実際は当人たちの自覚がないところで非常にベタベタな間柄であり、その自覚と実態の齟齬からくる錯誤ゆえに自分たち自身で感情的になっていくのを止められなかったんでしょうなあ。
だからこそ、七々々ちゃんの教導が必要だったわけか。本来ならそれ、椴松さんの役割な気もするんですけれどね。でも、あの人は物語的に主人公に助言する立場じゃなく、雪姫さんに近しい立場なものだから、雪姫さんにバシッと言っちゃってあちらから状況を打開する話になってしまうと、物語として妙なことになっちゃうもんなあ。
まあその辺は、七々々ちゃんが地縛霊のくせに守護霊みたいな役所なんですよ、ということで納得おば。でも、それだと上から見守る立場でヒロインじゃないじゃん、と言う事になってる気もするのですけれどw
むしろ、痴話喧嘩を繰り広げた挙句、いい雰囲気で仲直りしてしまった雪姫姉さんの方がヒロインとして立ってしまったんじゃないでしょうか。重護ってどうやらかなりシスコンみたいだし、雪姫姉さんはシスコン決定だし。一応メインヒロインの立ち位置は天災が担ってるみたいだけれど、この娘まだ作品内のポディションが定まってなくて、フワフワとあっちゃこっちゃ彷徨うばかりで、こう肝心の場面でびしっと存在感を示すに至ってないんですよね。なにやってるんだろう、この娘。お陰で重護も天災のことを結構気にしているにも関わらず、あんまり踏み込んだ話になってないし。それならこのまま雪姫姉ちゃんとイチャイチャすればいいんじゃにゃい?とも思えてくる。

……で、これって何の話なんだっけ? あれ? 埋蔵金探索の冒険譚は? 怪しげな勢力同士の組織間抗争は? 一応、バタ子さん陣営の顔見せもあったけれど、ほんとに顔見せだけだったしなあ。もっと大きなスケールでスペクタクル巨編に話を進めてくるのかと思ったら、身内同士の痴話喧嘩だったという肩透かし感。できうるならば、もうちょっとワクワク感が欲しいですよ?

1巻感想