眠らない魔王とクロノのセカイ 2 (GA文庫)

【眠らない魔王とクロノのセカイ 2】 明月千里/閏月戈 GA文庫

Amazon

その少女はSS。星令学園最強の十二人、《ゾディアック》の一人。
謀略が這いよる異世界交錯学園ファンタジー第2弾!

「夜くん……。わたしのパンツとか見たくないですか?」
「何を言い出すんだお前は!?」

『世界使い<ルーラー>』たちの学園に転入した夜とクロノは、そこで機械の眷属の少女、レファと出会う。
レファは星令学園<ワイズ・アカデミー>最強の十二人、《ゾディアック》の一人だった。

学園からの『ミッション』をレファと組むことになった夜。『ミッション』に参加できないクロノは落ち込む。
また、レファと同じ機械の眷属の少女、ハルは夜に忠告する。
「あの子には、気をつけなさい」

並行世界への出入り口『クロス・ゲート』を調査する夜とレファ。その裏で蠢く陰謀とは!?
異世界交錯<クロス・ワールズ>学園ファンタジー第2弾!
おいおい、まさかこのまま各界の魔王・王族と片っ端から誼を通じるつもりじゃなかろうな。下僕だの奴隷だのと言われてはいるものの、何だかんだとイニシアチブを握っているのは夜の方なので、このまま行くと夜は魔王を統べる存在、大魔王にでもなってしまうのでしょうか。それとも、夜の帝王にでもなるのか。そういうモンスター居たな、ドラクエにw
ともあれ、魔王と言いつつ境遇が不遇な子ばっかりですよね。仮にも各界の要となるべき存在にも関わらず。或いは、存在そのものだけが重要だからこそ、王ではなく駒として利用される宿命にあるのかもしれませんが。そんな不遇な中でも、彼女たちは駒としてではなく、名前だけの魔王でもなく、民草を導く王たらんとする志を頑なに守っている。そんな彼女たちだからこそ、自身の正義を見失った夜にとっての拠り所となるのでしょう。彼女らの志を守ることこそ、今の夜にとっての正しさの指針となるのですから。なので、どれだけ魔王を侍らせても、彼がその上に立つことだけはないはずです。彼はあくまで、王たる者たちを支え彼女らの望みを叶える存在なのですから。その意味では、彼は王様ではなく、彼女らのセカイの守護者なのでしょう。尤も、その性質は騎士というよりも魔法使いの類でありますが。

二巻からおそらく本番とは考えていましたけれど、こうもガッツリと学園ものになるとはなかなか驚いた。それも、『世界使い<ルーラー>』が当たり前のように存在し、その活動が学園によってキッチリと管理され、運用されるシステムが機能している舞台に放り込まれる事によって、偶発的、あるいは自主的な異変への介入に頼らずに、ルーラーとしての力を振るう機会が増えると同時に、クロノのような強大な力の使い手はその行使を制限されてバランスが取れるようになっている。尤も、状況というものは往々にしてそうしたルールやシステムに則らずに陰謀を当て込んで主人公サイドを罠にハメて行くものなのですが。
ただ、今回の一件を通じて《ゾディアック》の一角を担うレファを味方に引き込むと同時に、消極的協力体制にあったハルもまた、その機械の派閥と共に完全に味方に引き込んだので、あの残念な白羽先生を加えても、着々とクロノと夜は独自の勢力を築き出してるんですよね。尤も、味方のはずのセルツお嬢様は腹に一物抱えているようですし、祀桜家は次期当主のあの子の様子からして一概に敵対勢力と言えず、正義派そのものも反魔王派とはいえ本当に相容れない組織なのか微妙な所。裏で暗躍しているあのグループの動きや状況次第では敵味方の定義は簡単にひっくり返りそうな様相を呈しているので、なかなか傍目にも混迷を控えた状況ではある。この辺りの組織間、各セカイ間の絡みや駆け引きが活性化してきたら、そちらでもなかなか面白くなりそうな気配はしているのですが、はてさて。
まあとりあえず、難攻不落かと思われたハルさんが早々に陥落してデレたのが一番の収穫でした、としておこうw

1巻感想