六花の勇者 2 (六花の勇者シリーズ)

【六花の勇者 2】 山形石雄/宮城 スーパーダッシュ文庫

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Love and Lie
愛には愛を、嘘には嘘を。


新たに現れた「七人目」。
そして一人の勇者が密かに挑む試練!
「七人目」だったひとりの六花は去ったが、ロロニアという少女が現れ、またもや七人になってしまった六花の勇者たち。魔神再起までのタイムリミットが迫っており、疑心暗鬼はぬぐえないまま、魔哭領の奥へと進む。するとそこへ一体の凶魔が現れ、モーラに「君には時間がない」と告げる。さらに凶魔を束ねる統率者の一体、テグネウが六花の勇者の前に突如現れる。それは「七人目」の関わる策略なのか!? 混乱の中で激闘が始まる!
伝説に挑み、謎と戦う、圧倒的ファンタジー、第2幕!
すげえええ! なんじゃこれ、すげええええ! いやいやいや、これ凄いわ。
第一巻が話題になった本作ですけれど、自分の中の感触ではこの第二巻の方が明らかに面白かった。既に舞台設定とキャラクターの紹介を一巻で済ませていたのが良かったのか、この二巻では冒頭から積極的に、というかダイナミックにと表現していいくらいの勢いで、謎の構築とその解体がなされていくのですが、一瞬たりとも止まらないスピード感が実に素晴らしい。こうしてみると、一巻はあれで舞台の設営と状況の説明、容疑者となる登場人物の紹介という前提の提示にだいぶ容量を費やしていたんですね。言うなれば、助走期間がそれだけ必要だった、と。ところが、状況とキャラが概ねわかっている続刊は、最初からトップスピードで突っ走れたわけである。それでいて、勢い任せじゃないんですよね。
今度は最初から「七人目」を明らかにして注目をひきつけた上で、実に巧妙に状況と読者の視点を誘導しつつ、落ち着く暇を与えずドンドンと激しい動きの展開を畳み掛けてくるのです。もう、手に汗握って目も釘付けでハラハラ・ドキドキ。
絶対条件と思われていた前提が、根底からひっくり返された時にはもう頭を抱えましたよ。
今回は内輪だけで疑心暗鬼を募らせる展開ではなく、明らかな敵である凶魔の幹部が登場したことで、内と外の両方に駆け引きを必要とした上で、幾重もの謎を複合的に解いていかなければならない状況に陥り、さらにタイムリミットまで用意されたことで、後半に行くほど読んでいるこっちまで追い立てられるような切迫感に苛まれ、息もつかせぬ状況に。
挙句に、あのラストですよ。
一巻の時はまだ七人目が誰かというのはなんとなくわかったんですけど、これもう無理。こと此処に至ってこの中に七人目が居る、なんて言われても絶対にわかんない。誰もが怪しすぎた最初と違って、誰も疑わしいと思えない! 敢えて言うなら、絶対に違う、と言われている人じゃないのか、と見るくらいしか……。
更にその上、最初の七人目のあの人が動き出したことで、状況はさらに混沌。いや、これマジでこれから先どうなるの? 齧り付きで次巻を待つしかないですよ、これは。なんつー凶悪な。たまらんね。

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