子ひつじは迷わない  騒ぐひつじが5ひき (角川スニーカー文庫)

【子ひつじは迷わない 騒ぐひつじが5ひき】 玩具堂/籠目 角川スニーカー文庫

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“ひつじ”ならぬ“しつじ”喫茶で文化祭を盛り上げる「迷わない子ひつじの会」。会長の執事服姿やら佐々原のメイド服姿やらに浮かれる“なるたま”こと成田真一郎だったが、伝説の必殺剣の正体、『々人事件』なる奇妙な小説の謎など、隣部屋の“毒舌ツンダラ名探偵”仙波を巻き込んでのお悩み相談も相変わらずの大忙し。ワケあり女子たちに翻弄されまくる“なるたま”のおせっかいぶりに、佐々原がついに覚醒するって、何に!?―。
なるたまって、アレで独占欲結構強かったんだ。俺の女に色目使ってんじゃねえよ、と言わんばかりのガード捌きが微笑ましいやら呆れるやら。そのガード対象がご執心の仙波ならばともかく、岬会長と佐々原だもんなあ。だがしかし、サキ姉&佐々原押しのワタクシとしましては、無意識だろうとなんだろうとちゃんとなるたまにも二人に気があるというのがハッキリしてニヤニヤものでしたよ。まあ、サキ姉については異性云々じゃなくて単にシスコンを拗らせているだけかもしれませんが。でも、先の長編「館モノ」におけるサキ姉への暴挙は、少なからずなるたまにも多少なりとも意識の変革をもたらしているのかもしれない。サキ姉の方はというと、ほぼ完璧にあの一件がきっかけでなるたまへの見方は変わってしまったっぽいんですよね。前巻では、あれのお陰で精彩を欠いて、殆ど沈黙状態だっただけに、今回彼女がどういった行動に出るかは興味津々と言った所だったのですが……うはははは(笑
凄いなあ、会長のなるたまに関連する反応が、一巻の頃と全然違うよ。これについては、仙波のコメントが一番的確に状況を表しているかもしれません。なるほど、以前は首に縄つけてある程度自由にさせていたのが、この巻を見てたら、確かに囲いに入ってる。佐々原や仙波と違って、サキ姉は彼女視点の描写が無いのでその内心は推測するしか無いのですが、この人については無自覚とかなさそうだしなあ。前回大人しくしていた時に、相当自問自答していたっぽいし、ある程度自分の中で結論は出ているはず。
と、既刊の自分の感想見返してたら、三巻のサキ姉が自爆しまくった話の時に、『そこまで独占欲持て余しているなら、いっそ囲ってしまえばいいのに』とか書いてるよ、自分(笑
この時点ではまだこの会長さんはもっと自分のスタイルというか、立ち位置に固執するかと思ってたんですよね。まさか、本当に囲みに入ってくるとは流石に思ってなかったぞw

なるたまとの関係性については、佐々原の方も楓に要らんことを言われて混乱してたのを、自分なりに結論を見出したようなんだけれど、その結論の証明方法がまた佐々原らしいというか、普通とズレているというか、だからどうしてそうなる!? これは他人にどう説明しても理解してもらえないと思うぞ。でも、自分が解ってればいいのか、こういうのは。しかし、彼女も楓と絡むと恐ろしくキャラ変わりますよね。いやいや、あんたそんな毒舌キャラじゃないでしょうw わりと天然でヒドい事を言う一面はあるにせよ、楓相手だと意識的にかなり暴投気味な発言叩きつけるんだもんなあ。とは言え、普段は本当に可愛らしい。ややもずれた思考パターンからして、本当に可愛らしい。今回はメイド服姿という外見までも最強クラス。イラスト、ごちそうさまでした。


さて、今回は文化祭期間のお話ということで、全体的にお祭り騒ぎ的な賑やかさで、過去に相談者として登場した生徒たちも含めて、ほぼオールスターキャストが登場。そうそう、鹿野さんシリーズ居たなあ。鹿野と鹿野、名前の読み方が違うんでしたよね。最初は前に出た人なんて覚えてないよー、と思ってたんですが、その人がいざ登場すると、結構覚えてた自分にびっくり。覚えてたというより、思い出したというのが正確なのですが、どういう相談内容で、どういう結果の終わったのかとか、案外スルスルと記憶から蘇ってきたんですよね。うーん、やっぱり毎回5つ星クラスを付与しているだけあって、自分このシリーズやっぱり相当好きみたいですわ。なんでこんなに好きなんだろう、と首をかしげるところなんですが、いざ読み始めるとこれ満点だろう、としか思えなくなるんですよねー。あー、ハマってるなあ。
再登場組みで一番目立ってたであろう人は、間違いなくこの人、鹿野桃子さん。前々から、何気に一番ハッキリとなるたまに対して関心をあらわにしてたのがこの人なんだけど……なんか、桃子さんって数少ないなるたまの見せ場、というかカッコいい場面を目撃するケースが多い気がするんですよね。騙されてる騙されてるw
なんでメインヒロイン衆じゃなくてこの人なんだろう、と思う所なんだけれど、結構なダークホースなのかもしれない。もっとも、今のところは一方通行で可哀想な状態なんだけれど。

逆に、もうなるたまを毛嫌いしまくっているのが、楓さんであり、そしてメインヒロインであるはずの仙波女史。彼女の内心の声を聞いていると、本気でなるたまのこと嫌っているように見えてきて正直困るw 今回なんぞ、なるたまと最後まで顔を合わせる事がなかったのですが、強がってるんじゃなくて本気でなるたまの顔を見なかった事で機嫌良さそうにしてたもんなあw
ところが、肝心のなるたまがその仙波に一番ご執心なんですよね。あそこまで毛嫌いされて、よくまあめげずにつきまとうなあ、と思うけど……ストーカーの資質もあるんじゃないのか、こいつ。

前回の丸々一本の長編と異なり、今回は普段通りに戻っての連作形式だったのですが、これ、一話の「VS演劇部秘剣帖」、面白かったんですけれど、何が面白かったって作中作の時代劇ですよ。演劇の元ネタとなる時代小説の話がかなり面白くって、いやこれ普通に私も原作読みたいんですけどw

シリーズ感想