死神のキョウ6 (一迅社文庫)

【死神のキョウ 6】 魁/桐野霞 一迅社文庫

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恭也をかばってこの世を去った親友の克己とうり二つの面影を持つ死神ミツミ。ミツミの出現により深手を負いながらも退却した雫は、恭也によって匿われることになる。掟に背いた雫の看護をするうち、恭也はいつしか泪を助けようと手段を選ばぬ雫の行動が日頃の自分と大差がないことに気づいてゆく。雫と泪、二人を助ける方法はないのか。途方もない挑戦を始めた恭也の行く手には、ミツミの影が…。大人気死神ドタバタラブコメディ、怒涛の第六弾。
親友である克己の死、というファクターはひたすら恭也とキョウの甘々の緩々になりかねない本作を引き締めるアンカーとして機能している一事である。同時に、命の存在を単なる腐ったセカンドヒロインに落ち着かせず、悲哀と憂いとを帯びた真意を見せない陰ある女として位置づける重要なファクターでもあった。故にこそ、その克己と瓜二つの存在であるミツミという死神の登場は、この物語を決定的に動かす要因となるかと思ったのだけれど……ええっ? この巻では動かないのか!?
そもそも、ミツミその人がキョウやミコトとは旧知だったというところから意表を突かれた。え? なに? じゃあキョウもミコトも最初に克己に会った時は、ミツミのそっくりさんという事で驚いたりしたの? なんか、この辺後付け設定で齟齬が生じているんじゃないかと心配になるんだが、そもそもミコトあたりは克己とミツミに関連性があると事前に「承知」していたりでもするんだろうか。この辺の事実関係如何によっては、ミコトが克己の命を刈り取った件に込められた意味合いが相当に変わってくるのだけれど。
まあ今回ではミツミの周辺情報はさっぱり明かされず、とにかく胡散臭い人という点しかハッキリしなかったので、次回以降を乞うご期待となるんだろうけれど……刊行期間が長い割に話しの進展は遅いんだよなあ。これがせめて三ヶ月と言わずとも半年ペースだったらば、遅いと思わずじっくり書いていると思えるんだけれど。

とまあ、物語の芯の部分ではこうやってジリジリと焦らされてばかりなのだけれど、果肉であるところのキョウと恭也のイチャイチャに関しては今回も致死レベルでお送りします、ってな感じで、世にヒロインと同棲状態の展開は多々あれど、ここまで新婚ホヤホヤと言わんばかりの熱々っぷりを魅せつけてくれるカップルはあんまりないよなあ。もう、毎晩励んでいないのがおかしいレベルじゃあるまいか。エロゲライター的には、既にルート突入してラブラブ状態、シーン回想の空き枠も残り僅か、なノリで書いてるんじゃないだろうか。
その割には、普段外野から傍観者ポジで騒いでる方が多い、ミコトさんが妙に無防備でラッキースケベの餌食になってた気もしますが。ミコトはほんと、どういう立ち位置にいるんだろう。ミコトには克己との件があるだけに、妙な寝取り感があってドキドキw
まあ恭也にはキョウという揺るぎのない本命がいるからこそ、ドキドキで済んでるんでしょうけどね。

雫と泪の顛末については、なるようになってしまったな、という哀惜と、それでも最悪は免れたのだという安堵と拍子抜けにも似たすきま風がひゅるりと抜けて行きました。結局、こうなるしかなかったんかなあ。だとすると、死神というのは割に合わない仕事です、誰も彼も痛みを背負い、背負いきれなければ自らを擲っていってしまう。優しければ優しいほど幸せにはなり難い身の上だけに、せめて見える範囲の死神たちだけは幸いであって欲しいものです。ミコトなんか危ういからなあ。
あと、先生。黒岩先生です。この野郎、ちゃっかり椿ナースとデキてやがったのか。マジで付き合ってたのか。キョウたちがやれてない毎晩あんなコトやこんなことを大人だけにやっちゃってるのか。そろそろ爆発するべきだな。

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