お前のご奉仕はその程度か?4 (GA文庫)

【お前のご奉仕はその程度か? 4】 森田季節/尾崎弘宣 GA文庫

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「冬倉良太と両想い! ? ありえませんわ! どっちも想ってません! 」

 最近、良太のことを意識してしまうことが多くなったササラに、急なお見合い話がやってくる。
 お見合いを中止したいなら、ほかの相手を連れてこいというササラ父。
 お見合いを嫌がるササラを見かね、ササラの彼氏役で、良太が立候補!
 そんな彼をジト目で見つめる詩憐と王花に、良太は気がつかない。

「へ? 決闘?」
 しかし、ササラの彼氏として良太は、武人と名高いお見合い相手と、決闘をしなければいけないことに! ?
 勝てそう? うん、無理!
 ボーイ・ミーツ・ヴァンパイア・ラブコメディ第4弾!
あれ? ササラって変態をやめると普通にヒロインとしてのスペックが高いんですけど? これまでがストーカーレベルの王花ラブがヒドすぎて、こいつもう近衛首にしろよ、王花の安全的にも……という残念を通り越してガチでヤバイ系の人だったのですが、良太にも移り気するようになったためか、いい具合に執着とか視野狭窄が緩和分散され、ガチャポンと出てきたのは作中でも屈指の良識的でお淑やかな良い所のお嬢様……これ、誰?
ササラって、外見からもわかるようにポニテに西洋鎧という女騎士そのものなんだけれど、キャラ的には喋り方も出自も品性もお嬢様キャラという、妙に倒錯してる面白いキャラ造作をしていたんだけれど、今までは西のササラ、東の清水みたいな変態犯罪者のノリが逆に彼女をモブっぽく落ち着かせてしまっていたところがありました。やっぱりラブコメ作品ではラブコメに参加してこないと存在感出てこないんですよね。いざ、ササラが精神的にまともになって改めて主賓で出てくると、主要ヒロインにこれまで常識的な人が誰一人存在しなかったせいか、突然作品内の唯一の良心! として輝き出すことに。普通に女の子として可愛いって、それだけで武器になるんだ。なる環境のほうがおかしいとも言えるんだけれど。
鑑みると、そういう異常な環境だからこそ、現状が維持できていると捉える事もできる。作中でも指摘されているところだけれど、主人公の良太ってゴミ屋敷の住人みたいにとにかくあっちこっちから拾うだけ拾ってきて収拾付けずに整理しないところがあるんですよね。この性格でまともな恋愛を始めてしまっては、途端に破綻してしまいます。そう考えると、敢えて王花が攻勢に出ずに傍観に徹しているのも、ササラが自分の気持を自覚しながらも自ら一時撤退を選択したのも、まず現状では良太↔詩憐の主従ラインの強固さを前に無策で突撃しても良いようにはならない、という判断なのでしょう。あれだけ完膚なきまでに、ササラには恋愛感情はなく友情しか持ってないんだ、と体を張って恋情を否定し友情に尽くされたら、現状維持こそが最良のラインと見極めるのも当然か。ただ、漫然と現状維持を選んだ訳じゃなく、恐ろしいまでの攻勢待機なんですよね。まさに虎視眈々。機会を伺い、雌伏に徹しようという気まんまんである。ササラってもっと猪突猛進タイプなのだと思ってたけれど、理性を取り戻して以降の彼女の聡明さ、猫科の肉食獣めいた静謐な獰猛さには瞠目させられる。王花が最大の敵現る、と本気で警戒心を募らせるのも宜なるかな。
個人的には、虎葉雅綱と結ばれても全然いい気もするんですけどね。あの向こうっ気こそ強いものの礼儀正しく精錬でおっちょこちょいで男気のあるショタっ子と、お姉さん風を吹かせるササラは結構お似合いだと思うんだが。

あ、それからニコニコ静画でこれの漫画版が連載されてるんを発見。結構面白いな、これ。