乱☆恋5  婚約者は16人! ? (富士見ファンタジア文庫)

【乱☆恋 5 婚約者は16人! ?】 舞阪洸/得能正太郎 富士見ファンタジア文庫

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「16人の婚約者に会ってきてね!」…という父王の無茶振りから月日は流れに流れて、リカルド王子は全ての婚約者をコンプリートした!そして、故郷のリディア王国に仲間たちと凱旋を果たす。―長い旅の終わり。けれど、終わっていないことがひとつだけ。リカルドは第一の婚約者、セフィアに告げる。「俺は、最初にセフィアと交わした約束を守るよ。俺の力とみんなの力を合わせて、君の奪われた国を―取り戻す!」らんぶるコメディ最終幕。リカルドと彼の婚約者たちが仕掛ける“誰も見たことがない”国盗り大戦。その顛末とは!?
だわーー、打ち切りだぁ!!
婚約者は16人と銘打ちながら、実際婚約継続なったのは11人。しかも、実質物語に登場したのは前4巻までに登場したネゥラ王女までの8人だけ、という結果に。いやあ、さすがに16巻は無理だろうとは思ってたけどさ、まさか二桁に行くどころかその半分でバッサリと終わらされるとは思わなかった。肝心要の婚約者たちが全員揃う前に終わるとかw
それでも、プロローグでざっと11人と婚約継続し、いざセフィアの国を奪還だ、となるまでの経緯を巻き巻きで解説し、いざ本編に入ってみると特にそれで何も話の都合上唐突感もあまりなく自然にファイナルターンに入れてしまったあたり、これまでどれだけグダグダやってたのかが知れてしまうのでした。でも、そのグダグダさがこの作者の面白みでもあるんだよなあ。どうしても冗長になってしまいガチなだけに、バランスの取りようが難しいところなんだけれど……うーん、でも作者の作品の中では本作はわりとサクサク進んでたし、きっちりラブコメしてたし、わりあい順調に言ってた方だとは思うんですけどねえ。厳しいなあ。
ともあれ、結局メインヒロインは最初の婚約者だったセフィアが全うしてくれました。まあ、リカルドもセフィアに対しては特別扱いしてたフシもあるし、なんだかんだと相思相愛でしたからねえ。リカルドの大目標が、セフィアの国を取り戻してあげる、その為に他の婚約者たちともよしみを通じてなんとか協力を取り付けよう、という所にあった以上、話の本筋としてもセフィアが中心となってましたし。
逆に言うと、他の婚約者は結構影薄かったんだよなあ。4巻に出てきた三つ子と、三人組なんかはキャラの売り出しがこれからだっただけに、なんともはや。その中で比較的頑張ってたのが、リカルドに何の興味も持っていないセイラだったというのは笑いどころなんだろうか。ユーリも2巻登場で以降ずっと同行してたわりに影薄かったし。婚約者組ではセフィア、セイラ、エルメンが結局おいしい所を持ってったか。

というわけで、ラストはリカルドが婚約者に挨拶する旅路の過程で、影に日向に暗躍を繰り広げ、結果として婚約者たち姫君が独自に協力を買ってでた、という外交的に色々と逃げ道を用意した形で、シュールティス王国包囲網の大連合軍が発起し、これは酷い(笑)としか言いようの無い外線作戦と交渉による切り崩しで第二・第三王子率いる叛乱軍を追い込んでいくリカルド王子。
いや、これはもう見事としかいいようがないですわ。戦争の始まりから終わりまで、ほぼ完璧というグランドデザインの描き方である。相手が外交ベタだったというのもあるんだろうけれど、ここまで見事に前準備されちゃあ、始まる前から負け戦ですよ。なかなかここまで理想的な戦争、というのはお目にかかれないでしょうねえ。何気に重要なポディションに居たのが、ミノリ王女。殆どこの人とこの国で全部の兵站まかなってるあたり、侮れない仕事してるんだよなあ。残念ながらこのヒロイン、端折られてしまった人なのだけれど、本編登場してたら結構需要な扱いされてたんじゃないだろうか。ある意味、アマゾネスの人たちよりも。

さて、ラストはこちらも文句のつけようのないハッピーエンド。いや、あのオチにはちょっと笑ってしまいましたけどね。シュールティス王国の第三王女のお姉さんの逃げ足の速さが、ああいう形で活かされるとは。意表を突かれた。
とまあ、思いっきり二桁くらいの巻が端折られてそうなのに、読み終えてみると殆ど綺麗にお話が片付いてしまったのはお見事。気になるのは、失恋したアイオリッタがそれからどうしたんだろう、という所くらいか。何気に不憫だよな、この人。あれで出番終わりってw

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