不完全神性機関イリス2  100億の時めぐる聖女 (富士見ファンタジア文庫)

【不完全神性機関イリス 2.100億の時めぐる聖女】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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『イリスを私に預けなさい。結局、あなたが不完全神性機関を支えることはできない。できるのは世界で私しかいないのよ』宝条軍学校の傭兵科に通う貧乏生徒の俺・凪は、機械工学科への転科に悩む機械マニアだ。夏休み前の定期テストをどうにか乗り切った俺は、クラスの連中に誘われて強制的に海に行くことになってしまう(もちろんダメ家政婦のイリスも一緒だ)。海を満喫していた俺たちは、サラと名乗る一人の少女と出会う。みんなに可愛がられるサラだったが、俺と二人きりになった途端、「黙りなさい、愚民」と本性を現して―。イリスを手に入れようとする少女の正体、そして真の目的とは!?
ちょっ、本性! 本性!!(爆笑
果たしてこれが若気の至りの黒歴史なのか、1000年経っても実は変わっていない地金なのか判断が難しいところだけれど、イリスといいサラといい、いささかぽんこつ過ぎないかね?(笑
いや、これで【エデン】の方でサラ様がこの愚民どもがーーっ、などと言い出したら腹抱えて笑いますけどね。一巻で垣間見せた酷薄そうな側面だけでも、エデンのサラと印象かなり違っててインパクト強かったのに、実際に意気揚々と偉そうに登場したはいいものの、端から端まで誤算続きで「こんなはずじゃなかったのにっ」と地団駄ばかり踏んでいる微妙に残念キャラとか……皇姫さまの威厳が、威光のヴェールがどんどんズタボロになっていく。あかん、これもうエデン本編でサラがすまし顔で出てきたら、それだけで思わず生温かい笑を浮かべてしまいそうだ。へっへっへっ、こちとらあんたの若いころのみっともない姿知ってるんだぜ〜、と何かあると昔のことを引き合いに出してくる要らない事ばかり知ってる親戚のオバちゃん気分である。
イリスといいサラといいこんな調子なら、あとの残る希望はツァリだけだ。彼女についてはこの頃から色々と強かで飄々とした得体のしれないぬるっとしたキャラクターらしいのは仄めかされているので、希望は持てるんだけれど、サラも前巻で強面になって気合入れてたくせにこれだったからなあ。1000年前はツァリも天然ボケとかだったとかなら泣くぞw
というわけで、ひたすらにコツコツと千年前の重要人物たちにフラグを立てて回っている凪少年。正直、彼個人については何の特殊性もないのかと思ってたら、ちゃんとあったんだ。しかも、ボケツッコミ対応型という実践においては鉄壁にして夫婦漫才に対してはザルも同然、という絶妙なのか微妙なのか意味不明な実用結界を、イリスの洗礼を通じてゲットしていた模様。これで、イリスを後ろから応援するだけじゃなくて一応自分が前に出て肩を並べられる様式は整っていたわけか。
この流れだと、ツァリともフラグを立てそうな勢いなんだけれど……彼については千年後まで足跡が残ってないんですよね。結末的に悲恋だか別離だかが必然として用意されていそうなのがどうもテンションをあげきれない要因になっている。そも、バッドエンドの結果こそが【氷結鏡界のエデン】の世界なわけですしねえ。
何にせよ、あのツァリのデレが見れるのであればたとえバッドエンドでも本望なりっ。そこは期待したい、期待させて♪

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