俺、ツインテールになります。 (ガガガ文庫)

【俺、ツインテールになります。】 水沢夢/春日歩 ガガガ文庫

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地球を守るため、俺はツインテールになる!

観束総二は異常なほどツインテールを愛する普通の高校生。
 ある日、彼の前に異世界から来たという謎の美少女・トゥアールが現れる。それと時を同じくして、総二の住む町に怪物たちが出現! 
 「ふははははは! この世界のすべてのツインテールを我らの手にするのだ!」
 彼らは人々の精神エネルギー『属性力』を糧に生きる異世界人だった。トゥアールから、強力なツインテール属性で起動する空想装甲『テイルギア』を託された総二は、幼女のツインテール戦士・テイルレッドに変身!
 この日から、テイルレッドと変態たちとの常軌を逸した戦いが始まった!

 第6回小学館ライトノベル大賞審査員賞受賞作。
うわははははははははっ、やばいこれなにこれ、最高じゃね!?
古今無双、稀代のバカ話なんだが、なんて言うんだろう、真剣なんだよ。バカを真剣にやってるし、書いてる方も妥協抜きで、一切の揺るぎなく一心不乱に書き切ってる。それが痛快で爽快で、そう清々しいんだ。熱くて、格好良いんだよ!!
皮肉も自嘲も冷めた嘲弄もそこにはない。それが馬鹿馬鹿しいアホらしい戯けたくだらない話だという自覚は無論あり、これがそういう話だとちゃんと理解もしている。
だが、それがどうした! 
バカバカしさが、本気になれない理由になるか!? くだらなさが、小手先で片付けて良しとする理由になるか!?
否である! 否である!!
バカだからこそ、真剣に、本気で、魂をたぎらせて、馬鹿にせず嗤わず一切の妥協なしに真面目にやり切るべきなのだ。その果てにこそ、心から笑える、腹の底から吹き出せる、気持ちのよい笑いが待っている。
貶めることなく嘲ることなく、蔑むこと無く、ただただなんて馬鹿なんだろう、と笑い飛ばせる「快」がそこに生まれるのだ。

最高じゃないか!!

やばいこれ、最高じゃないか!!

最初から最後までノンストップ、ブレーキ踏まずのフルスロットル。キャラの誰もが立ち止まらない。時として涙を拭いながらも、最後の最後まで突っ走る。変態上等、キャラの濃さ上等。虚仮の一念岩をも通す。
いやあ、面白かった。心底面白かった。
特に素晴らしかったのが、掛け合いにおけるボケとツッコミの切れ味とテンポの良さであろう。なんちゅうか、ゲームの無双シリーズな勢いでツッコミの合いの手、或いは容赦無い斬撃が間断なく発射されていくので、読んでいても痛快の一言。場合のよってはウザさの対象となりがちな、素直じゃなくてやたらと手が早い暴力系ヒロインも、その豪腕の対象が主人公じゃなくて、同じヒロインにして究極の変態残念美少女おまえヒロインとしてもうあかんやろう、失格や、なトゥアールの方に向けられるので、気楽にアハハと笑って済ませられる。というか、あれは殴って黙らせろ、というようなどうしようもないキャラなので、ああやって容赦なくドツキ倒してくれるとスカッとするんだよな、うん。照れ隠しとかデレ隠しによる理不尽な暴力じゃなく、ガチツッコミなので全然理不尽じゃないしもっとやれ。
というか、這いよれニャル子さんのニャル子をはるかに上回るどうしようもない変態ヒロインが存在してしまうとは、始末したほうがいいんじゃないかこれw

そして、あくまでツインテール中心に信念を貫き通す主人公と敵怪人軍団。干戈を交えながらも、ツインテール愛で通じ合い、最後には敬意すら交わしながらもツインテールを愛するがゆえに相争わなければならない、いや戦うことでこそツインテール愛を認め合い、昇華していくその激闘の熱さたるや、激燃えであると同時に涙すら誘う感動をもたらしてくれる。
これぞ、愛ゆえに戦わざるをえない男たちの熱き物語!

なにそれだからなに? とかそこ言わない!!

いいんだよ、ここには歪みのない真っ直ぐな愛が山ほど詰まっているんだから。まっすぐでも方向性が明後日の方角を向いてるかもしれないが、それは些細なことである。
まああれだ……ツインテールってフィクションでも精々18歳までだよね。あれは少女だからこそ許された神型であると主張したい。魔法少女以上に少女性が要求されるスタイルなのである。

いや、だからなに? とかそこ言わないで……。