ここから脱出たければ恋しあえっ2 (角川スニーカー文庫)

【ここから脱出たければ恋しあえっ 2】 竹井10日/かれい 角川スニーカー文庫

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巨大密室と化した学校から、やっとの思いで脱出した悠真と美少女4人(+美少年1人)。だが学校の外は、なぜか絶海の孤島だった!ムチャぶりしまくる謎の猫耳宇宙服・名無しさんが提示した、今度の脱出条件は…恋人をさらに増やすこと!?閉じ込められ少女も2人増え、素直クールな先輩からツンロリ天才少女、メイドに幼馴染み、実の妹までが悠真をめぐって大騒ぎ!あれ、この状況…別に脱出しなくてもよくね?の第2巻。
すでに二巻目にして、ここから脱出しなくてもいいじゃない、という前提から崩壊しかねない状況に。
リアル無人島生活にしてしまうと、生きるのに精一杯で恋愛している暇がなくなってしまうという悪循環。人間衣食住に充足してこそ精神の余裕が出来るものである、との言にも通じる話である。そこで、主催の猫耳宇宙服名無しによって、不足なく衣食住が供給されるという無人島生活と言うよりも楽園生活に突入した結果、やっぱり脱出しなくてもいいんじゃね? という重ね重ねの悪循環。
おい主催者、色々とグダグダすぎるぞ(苦笑
まあ、竹井作品は微に入り細に入り、概ねグダグダであることを旨としているんで、これはこれで平常運転とも言える。

んで、新たに加わったメンバーは悠真の異性の親友である奏と、紫苑の同性の親友である葵子。葵子、紫苑とキャラ被ってね? と思ったら、豆腐メンタル子さんでした。葵子さん、なんか気がついたら悠真にどっぷり依存してたんですが。あれ? いつの間にデレて堕ちた? というくらいの超早業。居眠りでもしてたっけか、私。
もう一人の親友、奏と来たら、こちらはこちらで親友親友、恋愛感情なんて全然ないよ! とあっけらかんと言いながら、一応恋人関係になった紫苑や美羽を鼻で笑うような凄まじいスキンシップを繰り返す。抱きつくなんざ平常運転。平気でチュッチュチュッチュとキスをして、ベタベタひっついたまま離れない。そうしながら、親友だからこれくらい普通だぜ、と平然としている奏と悠真。
こ・い・つ・ら〜〜。
この調子で、親友だからベロチューしてもどうってことない。親友だからお風呂で裸の付き合いをしても何の問題もない。親友だから、ちょっとセックスしてもいいんじゃね? 親友同士だし、子供とか作ってみた! と、全部親友だから、で押し通しそうな勢いである。
親友最強説。悠真もちょっとは疑問に思えよ(笑

そんな親友という関係にこだわる奏にも、相応の理由と信念があってそうしている、というのが事情に踏み込むことで明らかになっていく。この作者が書くシリアスパートって、ギャグパートと別世界か、と思うくらいにデロデロの生々しさがあるんですよね。正直、あんまり冷静にじっくりと向き合いたくない、人間の気持ち悪い側面がギトギトと脂ぎって波打ってるんですよ。それをうまくギャグパートでオブラートに包んでいるからこそ、ある程度落ち着いて見られるけれど、普通に見たら嫌悪感パないんだろうなあ。
椛なんかも、そんな悪意にさらされた犠牲者の一人。悠真は、敢えてあんな態度をとることで椛を守ってきたのか。子供なりの、最大限の庇護だったんだなあ。それも、椛がちゃんと信じて分かってくれてたから、保てた関係なんだろうけれど、通じ合っていたからこそ最終的に認定されたわけで……あれ? 順調に恋が成就しつつある?
そのうちラストには実った恋を収穫だー、とリアルバトロワがはじまりそうで怖いが、始まってしまうとどう考えても妹の独壇場になってしまうので、それはないか。

次の舞台は、定番とも言えるあれか。さすがに、ここからさらに新キャラ、というのはなさそうなので……あれ? だとすると千早ちゃんと妹の出番になってしまうのか? どちらもある意味バッドエンド直行じゃね?

竹井10日作品感想