龍ヶ嬢七々々の埋蔵金3 (ファミ通文庫)

【龍ヶ嬢七々々の埋蔵金 3】 鳳乃一真/赤りんご ファミ通文庫

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「ヤツは七々々ちゃんのなんなの!? なんなわけ!?」

俺と七々々ちゃんが住む二○二号室を訪ねてきた戦場なる男は、冒険部の元部長にしてこの部屋の元住人だった! 七々々ちゃんとの関係は……?
一方ツクヨミ街の鉄くんが転校してきて、ゆんちゃんも後輩と分かり喜んだのも束の間、ゆんちゃんを監視する怪しい影が――えっ、戦場が、なぜ?
そしてなぜ天災は黒猫パジャマで俺の部屋に引き籠ってやがるんだ!?
全てが繋がるとき、次なる《遺跡》が姿を現す!! 奇想天外トレジャーハント・ロワイヤル第3弾!
なんで雪姫姉さんを脇において、ダルクが表紙なんだよww
前回の重護と雪姫姉さんの痴話喧嘩もそれぞれの人間的なちっちゃさが引っかかり合って起こってしまった諍いでしたけれど……今回も何だかんだと器のちっちぇえ話だった気がするなあ。
そもそも、ヒロインの天災からしてちっちゃいちっちゃい。どこからか連絡があって以来、部屋に引き篭って様子が変わってしまった彼女。何か重大な案件を抱えて悩みにくれているのかと思ったら……その理由の情けないこと情けないこと。いや、これ本気でウザいんですけど。そんなことで、うじうじと引き篭ってぶーたれて拗ねてたのかよ。なんて人間としてちっちゃい女なんだ。探偵としてもちっちぇーー、そもそも重護に悪事を犯させてからそれを暴いて探偵として蜜を吸おうというマッチポンプばっかり謀って、ちゃんと探偵らしく真面目に働かないあたりから、せせこましいのなんの。能力ばかりはずば抜けているくせに、その扱い方を盛大に損ねていやがる。
そのちっちゃさが愛嬌なのだ、と言われればそれまでだし、これがウザ可愛いということだよ、と主張されるとそうなのか、と頷いてしまうところだけれど……ゆんちゃんへの態度とイイ、グジグジいつまでも湿った態度取り続けているところといい、頭叩きたくなるんですけど、この子。
重護がもうちょっとバシッと言ってくれればいいんですけどね。実際、ちゃんと言うべきことは言って叱ってるんですけど、ほんとどこまでちゃんと聞いているのやら。
重護は重護で、こいつもスッキリしない。江戸っ子気質のわりに、この男も小さいことにグジグジと拘って、そのくせ自分が何に引っかかってるのか自覚に乏しいものだから、イライラの理由が分からず悶々としたままなかなかアクションを起こさないので、結構こいつもウザったい。先の雪姫姉さんとのいざこざの時も、なんで拗れてるのか理由を自覚するまでホントにウロウロと目的なくうろついててうざったかったもんなあ。
今回も何をイライラと面白くなさそうにしているのかとおもったら、またぞろしみったれた理由で。ちっちゃい、ちっちゃいよ、重護くん。
ちっちゃさで言えば、先代冒険部部長の戦場さんも、目的のためなら手段を選ばないクレバーさをアピールしてるんですけど……単に自分の物差しが短いだけなんじゃないのか、この人? 重護の人となりを全然見抜けてないし、天災ちゃんの在り様もさっぱり理解してないし、七々々コレクションへの認識も含めて、どうも自分の理解できる範疇でしか物事を捉え切れないスケールの小さい人間にしか思えなかった。仲間を犠牲にし、手段を選ばず目的を達成するそのやり方も、所詮は安全策を重ねに重ねてリスクを回避して回ってるだけで、他人を受け入れる器もなく、手の届く範囲だけでやりくりしてるだけで大胆さ、冒険するような勇気を感じられず、とてもじゃないけれど「トレジャー・ハント」に関わる人間としてはちっちゃすぎる哀れな人にしか思えなかった。
なんだかんだと、「祭」で酸いも甘いも噛み分けた重護と比べても、所詮外の世界も知らず小さな島で偉そうにしてるだけの井の中の蛙、みたいな?
だから、雪姫姉さんに為す術なくフルボッコにされてしまったのを見ても、失笑しか浮かばず。
こんなのに影響受けて引き摺られて、唯我先輩も詰まらない人に引っかかってしまったもんだと思う。この人も、ただでさえ将来有望な後輩の芽を育てるどころか潰しに掛かってしまうように器小さいんだから、余計にこんな小さな人の真似をして縮こまることもなかっただろうに。幸いにして、彼には二人大切な仲間もそばに居てくれて、その上で戦場先輩に一矢報いることで下らない影響から逃れたみたいですし、このまま情けない方向には行かないでくれそうですけれど。
まあ個人的には、一矢報いる程度じゃなく、ちゃんと唯我先輩や重護の手によってスッキリ返り討ちにして欲しかったですけどね。雪姫姉さんがナシつけてくれなきゃ相当にストレス溜まってしまうところでした。
と、何もかも解決した気になってましたけれど……ゆんちゃんにまつわる謎が残ったままだったんだっけか。あの遺跡で死んだと思われる人物とゆんちゃんの共通性。あの遺跡で彼女に何が起こったのか。そのあたりは、次の話になるのかしら?

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