双界のアトモスフィア 2 (富士見ファンタジア文庫)

【双界のアトモスフィア 2】 筧ミツル/refeia 富士見ファンタジア文庫

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『科学世界』と『術式世界』、二つの世界の統合から50年。『術式世界』の異形に苦しめられていた人々は、ある組織を設立した。異形と対抗するために生まれた機関―それを人は、D.S.Tと呼ぶ。ヴァルハラ皇国から皇女アイリスがやってきて一週間。国立京学園に通うD.S.T隊員・八劍姫也は、術式訓練の授業でアイリスと共に学園の一部を破壊、罰として学園長から「逆結界ジェネレータ」の探索を命じられる。渋々ながらもクラスメイトと共に探索に赴いた姫也だが、そこで『術式世界』の異形に襲われ!?二つの世界を巡る学園バトルファンタジー。
これはちょっとイタダケナイかなあ。
モブを含めたギャグパートでのスチャラカなノリと掛け合いは健在。同じチームのメンバーのみならず、そのへんの名前の無いモブキャラまで非常に「イイ性格」をしていて、事有るごとに煽るわ騒ぐは爆発するわw まあ読んでて楽しいんですよね、こういうの。基本ベースとなるところは結構深刻でシリアス側に傾いていると思うのだけれど、トマス筆頭に気持ちが沈んでいきそうなところを「愉快」で引っ張りあげてくれた上で、肝心の場面では「燃え」で補い牽引してくれるので、バランスは取れているんだと思う。
ただ、これはどうかな、と思った所が、物語の「芯」が今回見当たらなかったこと。簡単に言うと、今回はこんな話でした、というものが全然なかったんですよね。なんか全体通してあやふやなままぼんやりと進んでしまって、ストーリーを進めるでも、キャラの関係を進展させたり深めたりするでもなく、他愛もないコメディで賑やかに徹するでもなく、中途半端に曖昧に漠然と、ともかくフワフワと何の目的の達成もなく、なんとなく悩んだ主人公が何となく悩むことを止められました、というえらい薄弱なストーリーだったんですよね。ガツンとしたものが一切なかった。せめて、その悩みでガリガリと姫也とアイリスの関係が深まってくれればまだ良かったんですが、見る限りでは現状の関係距離のまま、出来る範囲で手当したら落ち込んでいたのが元に戻った、という程度のところで……うーんむ。
二巻を見ても、世界観という枠組みとキャラを楽しく賑やかに動かす、という点は非常に見るべき点が多くてイイ感じなんですけれど、問題は思わず読み込んでしまう物語力と、人間関係の掘り下げかなあ。そこさえガッツリと深みにハマって溺れそうなほど抉りこんで書いてくれたら、盛り上がりもパない事になってくると思うんだけれど。
凄く期待しているので、とにかく中身を充実させていずれいい意味での重みを実感させてくれる話を読ませてくれると信じてます。

1巻感想