キミはぼっちじゃない! (MF文庫J)

【キミはぼっちじゃない!】 小岩井蓮二/鳴瀬ひろふみ MF文庫J

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稲葉悠大にはロリコン疑惑があった。幼女のパンツを手にさまよっていれば誰だってそう思うことだった。決定的な場面を見られてしまい、警察に通報されそうになる悠大だが、これにはとある訳があった! ――子育て。そう、悠大は幼なじみのしおりと二人で、五歳のリリィを本当の両親が見つかるまで育てているのだった。……これなんていい話? ドS少女ほのかや委員長に妨害……いや助けられながらもハ~トフルな子育て日誌を開始するが、悠大をストーカーする電波少女・エレナが衝撃の事実を告白してきて!? 新世代ロンリーボーイ・ミーツ・ロンリーガールラブコメディ!
幼妻! じゃなかった、幼馴染妻バンザイ!!
突然、悠大としおりの前に現れた五歳児の女の子リリィ。キチンと迷子として警察に届けたら、自分たちの子供を迷子扱いとは何事かー!と怒られて面食らう二人、なんと気がつくと世間では悠大としおりは夫婦になって、リリィが2人の子供として認知されている!? 図らずも夫婦となって子育てすることになってしまった幼馴染同士の、これは新婚ラブコメでございます、ってか!?
いきなりクラスメイトたちからも夫婦扱いされて、揉めるかと思いきや特段気にすることもなく平常運転で、じゃあそれで行こうか、みたいな二人の関係がニヤニヤさせてくれるじゃないですか。夫婦扱いOKですか、そうですか。
変にイチャイチャしすぎることもないのだけれど、極々自然に共同生活を送る二人は元から家族だったみたいな感じで、リリィの存在が二人を繋いだというよりも、文字通り悠大としおりの夫婦が突然飛び込んできたリリィを保護したという感じなんですよね。もう実際そのまま養女にしてしまえよ、というくらい三人の擬似家族関係はうまく回っていくのですが。
勿論、自然に夫婦として子育てを始めれてしまった二人とは言っても、元々恋人同士だったわけじゃなく、意識していなかった部分を共同生活の中で刺激させられる場面も出てくるわけで……。でも、二人ともこれ青信号ですよね。照れて関係を否定しあったり、無駄に駆け引きすることもなく、もしそのまま本当に夫婦になってしまうことになってもお互いあまり躊躇わずに受け入れてしまいそうな雰囲気でしたし。
それだけに、幼い頃からの家庭の事情という背景があったからといって、悠大の家族間というか人生観にはそれまでの態度との齟齬があって、んんん? という気持ちにさせられてしまいました。まあ、思春期特有のアレ、という括りに入れてしまってもいいのかもしれませんが。
実は子育て、あんまり関係ありませんでしたけれど、高校生同士の初々しい、でもわりとドッシリと安定した夫婦生活のデレデレっぷりを堪能できる、実に美味しいラブコメでございました。はいはいご馳走様ご馳走様。