レイセン  File5:キリングマシーンVS. (角川スニーカー文庫)

【レイセン File5:キリングマシーンVS.】 林トモアキ/上田夢人 角川スニーカー文庫

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怒涛の夏休みが終わりほっとしたのも束の間、ヒデオはマックルに誘われて“フォース”とバーベキューに出かけていた。高校生たちに混ざってスイカ割りを楽しむ…はずもなく、引きこもりの美学を貫くヒデオ。そんな中、マックルの口からオートライングループの秘密が明かされ、“フォース”とヒデオたちは戸惑いを隠せない。そこへさらに、マックルを付け狙う謎のシスターが現れて…!?ますます加速する、負け犬男の第二の人生。
男の触手責めはやめてください、エルシア様ww
まさかの妹襲来編の延長戦。突然の妹の来訪話も何気にいい話で終わったなー、と思ってたら終わってなかったんかいw ヒデオの家での女性陣に家呑み会は延長の末に、なぜかエルシア主催による触手責めパーティーに。しかし、そうなんだよなあ、こういうときに限ってみんな制服じゃなくて普通の私服という味の無さ。こういう齟齬のあるときこそ、ヒデオの弁舌にも興が乗るのである。最近、ノアレがわりと弄られ役に回っていてなんか楽しいよ?
ここで鈴蘭が何気にチョロいところを見せたのは、最後の番外編の前振りだったんだろうか。かつては鈴蘭って不憫系薄幸少女だったんだよなあ。

という訳で、本編の方はなぜか引きこもりが合コンまがいのバーベキューに参加させられるという、相変わらずのコミュ障のくせになんというリア充w
ただ、なんでマックルがヒデオに執心だったのかという理由を聞くと、マックルの過去に何があったかは知らないけれど、どれだけヒデオの存在と軌跡が彼女にとって衝撃的だったのかが伝わってくる。きっと、この世にあるはずのない宝石を見つけたような心地だったんだろうなあ。お伽話にも存在しないだろう、優しさだけを貫いて世界を救った英雄譚。
少なくとも、あのエリーゼが悪いやつじゃないと言っているのだからそれは確かなのだろうけれど、フラフラしているようでマックルって何か必死なところが見受けられるんですよね。今回、ヒデオに縋るように助けを求めようとしたのも、オートラインに関わっていたのも、何か理由があるんだろうけれど本人に邪心が無くても場合にヨテは手段を選ばないんじゃないかという危うさもかいま見えてきて……なんか、いきなりマックルさんヒロイン化してきてませんか? 精霊の庭なぞというマックルを追いかける組織も出てきたことですし。
しかし、謎のシスター登場っててっきり神殿協会なのかと思ったら、別の第三世界側の宗教組織が存在したのか。
この対シスター戦で見せたヒデオの駆け引きは久々に見応えと歯ごたえのある綱引きだった。こういうのを見ると、ヒデオはつくずく交渉術に卓抜していると思わされる。見せ札と伏せ札の使い方が抜群なんですよね。

さて、精霊の庭という精霊に深く関わる組織に、オートラインのさらに深部、精霊を利用しようとする黒幕の存在が匂わされ、さらにフォースの四人が使う精霊の正体が暴かれてしまったことで、随分と中途半端な位置に放り出されてしまったフォースとオートラインの面々。この連中って、第三世界の暗黒に片足を突っ込むどころか足首だけ浸して全身どっぷりと闇に浸った気分になっているような「ド素人」だっただけに、真打が出揃ってきた頃合いで適当に弾かれるのかとも思っていたのですが、まさかまさかの泥沼の展開に。あの「世界観」の子だけ微妙に精霊の雰囲気が違っていたのが、こうつながってくるのか。

と、良い所で本編終わって、番外編。もうサブタイトルから酷い事になりそうなのが丸わかりという「葉多恵ちゃんの女子力キラキラ☆メイクUP教室」というものw この作品に登場する女性のメンツ、概ね女子力なんとかしろよ、という連中ですけれどその中でも図抜けて何とかしなきゃいけないのが、当然あの人、初代聖魔王名護屋河鈴蘭である。
いやあ、この人途中でキャラが百八十度変わってしまったから忘れがちですけれど、元々小公女タイプの人だったんですよねえ。その御蔭で、何だかんだと持ってる日常系スキルのレベル、やたらと高いんですよ。家事系統は一通り上級でこなせますし、なんちゃってメイドじゃないんですよね。普通にしてたら、十分愛され系美少女になれるのに……この娘は本当にどうしてこうなったw
まあでも、この調子だと長谷部の兄ちゃんともわりと良い感じに付き合える要素はあるんだと納得できた。普段通りの鈴蘭だと、とてもじゃないけれど男とお付き合いできる要素が皆無すぎて、それ以前に性別・女性という意識もなかなか持てないですものねえ(苦笑

林トモアキ作品感想