クロス×レガリア  滅びのヒメ (角川スニーカー文庫)

【クロス×レガリア 滅びのヒメ】 三田誠/ゆーげん 角川スニーカー文庫

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互いにほのかな想いを意識しつつも「相棒」関係を継続中の千円ボディガード・馳郎と最強兵器・ナタ。だが最近、ナタはある奇妙な感覚に夜ごと悩まされていた。時を同じくして鬼仙のお嬢様・蓮花が根城とする中華街では奇妙な事件が頻発。馳郎は調査協力を依頼されるが…。「だって吸血鬼だもの。血を吸うのが当たり前でしょう?」馳郎の前に現われた深紅の妖鳥、朱色の魔獣を操る最凶の来訪者。彼女に対し馳郎がとる策とは。
へぇ、哪吒太子と蓮華の花ってそんなに縁が深いのかあ。と、哪吒太子や今度登場した黒幕格についてwikiなんかを覗いていたら、思わぬエピソードに行きあたってしまった。
これって、場合によってはナタと蓮花は不可分とも取れるんですよね。この三巻での蓮花のヒロインっぷりを見る限り、思いの外蓮花のポディションって高いのかもしれない。サブヒロインじゃなくて、メインヒロインの片割れと呼ぶに相応しいくらいには……いや、さすがにそこまでは行かないか。この【クロス×レガリア】では、馳郎とナタは殆ど相思相愛と言っていいくらいの関係で、如何な蓮花やリコでも割って入るのは難しそうですしねえ。
それでも、今回の主席ヒロインは蓮花で揺ぎないでしょう。二巻で出番なかった分、ほとんど独り舞台と言っていいくらいに蓮花がヒロイン枠を独占。不老長寿の鬼仙のくせに、実はリアル十六歳とか反則だよなあ。しかも、これだけ感受性が強い子だと、長生の民である鬼仙の中じゃあそりゃあ浮いちゃうだろうねえ。ただでさえ、お姫様ということで腫れ物扱いされていたんだろうし。そこに、自分の尖った性格を否定せず、しかしおもねらずに率直に受け止め肯定してくれる馳郎の存在は、そりゃあビビッと来ちゃったろうねえ。この主人公は、孤独で寂しがり屋の女の子には特にキラー属性を発揮するようだ。考えてみると、リコや北斗もその傾向が強かったもんなあ。
その点、敵として現れた謎の少女は、馳郎の得意分野からは大きく外れたキャラクターと言えるのだろう。この娘に関しては、敵とはいえ全然フラグが立つ様子がなかったもんなあ。その理由が相性が悪いというだけではなかったことは、ラストに判明するのだけれど……この子の正体についてはさすがに度肝を抜かれた。そもそも、あの黒幕格が出てきた時点でナタの名前が伊達でも何でもないある意味「本物」であることはわかったんだけれど……ガチ仙人じゃないか。
このシリーズ、あの【レンタルマギカ】と同じ世界観というだけあって、「仙人」という存在については完全にこの世のものではないという認識が出来上がっていたんで、あの名前見たときは愕然としましたよ。
あの謎の女の子も「ウー」と名乗っていたものだから、どちらかというと「无」を意味する名前だと思ってたんですよねえ。
でも、よくよく考えてみると道教の世界観見渡して「哪吒太子」に伍するような戦闘キャラっていったら、まずなにより「こいつ」以外考えられないんですよね。その意味ではまったく打倒な人選といえばそうなんだけれど……それでもこの正体は意外だったなあ。
ん? だとすると、この子とコンビを組むことになるあいつは、陳褘さんってな当てになるのか? 特に当てはめる必要はないんだろうけれど、そんな風に想像すると面白いなあ、という話で。

そういえば、【レンタルマギカ】と同じ世界観ということで、ついに「魔法使い」が登場してきましたねえ。こう、違う作品がクロスしてくるとワクワクしてくるんですよねえ(笑
このままより世界の裏側に踏み込んでいくならば、鬼仙やおににかぎらず<協会>とも関わることも増えてくると言明されてますし、いつかはゲストキャラとして【レンタルマギカ】のキャラが出てきてくれたら嬉しいなあ。

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