それがるうるの支配魔術  Game5:キングメーカー・トラップ (角川スニーカー文庫)

【それがるうるの支配魔術 Game5:キングメーカー・トラップ】 土屋つかさ/さくらねこ 角川スニーカー文庫

Amazon

二学期が始まったばかりの欧文研のもとを、OGの月城舞花が訪れる。るうるの兄・繋と同級生であり、欧文研の創立メンバーでもある舞花の昔話に喜ぶるうるたち。しかし、話の中の違和感に気づいたタマキは、部室に仕掛けられた魔術を見破り、隠されていた数列を発見する。それは繋がるうるへ宛てたメッセージだった!数列はとあるテーマパークを示しており、欧文研メンバーと舞花はそこに向かうのだが!?シリーズ驚愕の展開へ。
マジで驚愕だよ!! これはとんでもない超展開じゃないか。いや、衝撃的すぎて読み終えたあとしばし呆然自失。まさか、四巻でのインナミさんの物語と彼女との約束が、こういう形でタマキに返ってくるなんて、想像できるはずないじゃないですか。インナミさんと約束した、すべてを明らかにするまで進む、という決意がまさかこんな結果を産むなんて。誰かの為につかれた「優しい嘘」の正体が、その真実が、まさかこんな事だったなんて。
何か空恐ろしい真実が、十年前の事件には秘められている、というのは頭では理解してたし、それが明らかにされることに心構えみたいなものもできていたはずなんだけれど、こうなってみると所詮他人事として捉えていたんだと今更ながらに認めざるをえない。目の前に現れるのがどんな嘘でも真実でも、この欧文研メンバーが揃っていれば、インナミさんがタマキに残してくれた、仲間との絆、というものがあれば、ちゃんと真っ向から立ち向かえるものなのだと思っていた。ところがこれ、相対する類のものじゃなかったんですよね。まさに盲点、死角の内側。
これが本物の「世界災厄の魔女」の魔術だったというわけか。筆舌しがたい、禁呪じゃないか。
それでも、インナミさんとの約束がなければ、タマキもあそこまで性急に動きはしなかったはず。あそこまで衝動的になってしまったのは、大切な約束の結論がまさに間近も間近にあってしまったからなんだろうなあ。他人事なら、迷いも出来たかもしれない。意思を疎通し意見を交わし、仲間同士で話し合って立ち向かう手段を、どう対処するべきかを導き出せたかもしれない。でも、その答えが「アレ」だった以上、約束を果たすためには迷うわけにはいかなかった。嘘を暴くことを止められると分かって相談など出来なかった。
真実を明らかにしなければならない以上、まずその真実を露わとしなければならなかったのだ。たとえ、それが=終わりだったとしても。否さ、終わりだったからこそ、だ。
これは、キツいよなあ。インナミさんも、まさかこんな結果が待ち受けてるとは思ってもいなかっただろう。あの人は純粋に、タマキを愛して幸福を願っていただけだったのに。

それでも、その真実が「本当」かどうかはまだわからないんだけれどね。嘘を見ぬいた、と思ったタマキが先走って幾つか見落としをしているかもしれない。何れにしても、結論は次の巻だ。

土屋つかさ作品感想