ガブリエラ戦記V 白兎騎士団の雌伏 (ファミ通文庫)

【ガブリエラ戦記 5.白兎騎士団の雌伏】 舞阪洸/優木きら ファミ通文庫

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騎士団の拠点に迫るシギルノジチの侵攻軍。その動きに対して、本格的に盆地制圧に乗り出すバロス三世が講じたのは、毒をもって毒を制する策―捕虜であるレフレンシアの解放だった!白兎騎士団の目前に迫るは、ヴィネダが先遣部隊を率いるシギルノジチ軍、後ろから迫るはバロス三世が放ったルーアル・ソシエダイ軍。牽制しながらも進軍する二大国へ対抗すべく、遂に再会を果たしたガブリエラとレフレンシアが動きだす―!最強乙女伝説、待望の第5巻。
ジアンはもう愛されまくってるなあ、王様に。あそこまで一途に慕われてると、相手がまた子供だとはいえそりゃあ絆されちゃいますよ。なんだかんだとガブリエラから下の方まで男に縁がなさそうな白兎騎士団の中で、よりにもよってジアンだけが唯一の勝ち組、というのは今更ながらに凄い話である。それも、小国とはいえ王様の側室だもんなあ。玉の輿ですよ、玉の輿。
ジアンもいい加減、覚悟を決めて身を固める決意をしたようですし、お幸せにーってなもんであります。もっとも、その前にこの絶体絶命のピンチを乗り越えなければならないのですが。
さて、暗黒大魔王のガブリエラが目論んでいる作戦というのは、どうやらバロス三世と同じく毒を持って毒を制する策のようで……シギルノジチ軍を掣肘するためにあえてレフレンシアを開放したバロス三世からすると、もしガブリエラの目論見が自分の思惑をより具体的に戦術化して詐欺働かされた上で倍返しに食らった、となったらいい面の皮になりそう。もっともこの王様、敵ながら器も大きく大概の事なら内心はどうアレ嗤って飲み込みそうですけれど……それはそれで後が怖そう。しかし、折角の決戦だというのにアリアンレイといった連中とガプリ四ツに組んでの総力戦、と行かなさそうなのは残念である。勿論、白兎騎士団は戦力もあまりないのだから正面から激突する、なんて真似は出来ないでしょうけれど、正面からの作戦の化かし合い読み合いというのは見たかった。特にアリアンレイは、やっと出てきた同格以上のライバルキャラでしたからねえ。
さて、ついに決戦目前となったわけですけれど、結局ガブリエラが団長になったのって活かされてないですよね、これ。実質、団はレフレンシアが率いているようなものですし、ガブリエラの役割って今のところ作戦参謀以外の何物でもないんだよなあ。ガブリエラの神算鬼謀を諸国が知らない伏せた切り札として使いたいのなら、むしろ団長なんて目立つポディションに置かずに今までみたいにレフレンシアの下に隠しておけばよかったのに、と思ってしまう。もしちゃんと目端がきくものがいたら、目立つレフレンシアに惑わされずにちゃんと新しい団長の来歴も調べてしまうでしょうし、ガブリエラ、あれで結構派手に動いてましたから、ちゃんと調べれば彼女がどういう働きをしてきたか、というのも分かってしまう可能性は無視できないでしょうし。
まあそこはそれ、今更言っても詮無いこと。あとは、暗黒大魔王の本領発揮を見守るばかりでございます。

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