六蓮国物語  宮廷のニセ御使い (角川ビーンズ文庫)

【六蓮国物語 宮廷のニセ御使い】 清家未森/Izumi  角川ビーンズ文庫

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敬愛する太子をお守りするため、上官の季隆と偽装婚約の契約を交わしている太子近衛武官・結蓮は、憧れの恩人・翠玉の御使い様と文通を行う日々。ところが、結蓮に婚約を迫っていた太子の兄将軍・崇怜が、翠玉の御使いは自分だと言い出した!?一方、花街では、妓女が妖怪に襲われるという事件が相次いでいた。結蓮は、事件解決のため妓女に扮することになるけれど!?大人気の中華皇宮ファンタジー、第3弾。
こ、こいつ、厚顔無恥も甚だしいな。唖然とするほどろくでもない事を臆面もなく、まあ……。
崇怜が、季隆が翠玉の御使いとして結蓮と文通している文を手に入れて、どう行動するのかと思ってたら、想像の斜め上を行くあまりといえばあまりの所業に、唖然呆然である。
いや、普通バレるだろう。
そもそも手紙は手に入れたその一通しかないわけで、それ以前のやり取りなど知らないわけだし、この男、殆ど場当たり的に翠玉の御使いを名乗っただけで、特に正体を偽るために情報を集めたりとか全然している素振りがないんですよ。そんなもん、いずれ間を置かずに偽物だってバレるに決まってるだろうがw
幸いにして、結蓮さんはちゃんと感覚的に「あっ、こいつ御使いじゃねえな」と気づいてくれて、解りやすい事実に飛びついて夢中になって現実を直視しない子、という夢見る少女じゃないのを証明してくれたので良かったですけど、これが単なる事実の齟齬から本物じゃない事がバレてしまったり、他人の追求で偽物だと証明されてしまった日には、結蓮のヒロインとしての評価もガタ落ちになるところでした。なに結蓮に物語のヒロイン的に危ない橋をわたらせてくれやがりますか、この勘違い男は。
しかも反省の色、全くなし。普通、こういう事されたらどんな女の子だって、というかどんな人間だって軽蔑の目で見下しますよ。いや、本当にバカじゃないのか、こいつ。なんかこう、久々に腹の底から嫌悪感が沸き立ってくるような野郎ですね、この気持ち悪い男は。
季隆も、もうちょっとあれだ。お祓いしようぜ、お祓い。あれはもうたちの悪い悪霊とおんなじだから、穢れ払いしとった方がいいって。ああいう勘違い野郎は皮肉や嫌味言っても通じないから。季隆くん、身分も地位も目上である崇怜に対して、かなりきわどい態度で接してはいて、ちゃんと番犬の役目を果たそうとしているのは認めるんですけれど、あれは本当にたちが悪いわ。ガチでぶん殴るか、こっそり呪殺しないと収まらないレベルなんじゃないだろうか。さっさと自分が翠玉の御使いだと告白してりゃよかった、と頭抱えて後悔してる暇があれば、あれを物理的になんとかしようぜw
まあ、後悔して反省して、これ以上引っ張らずに速攻でちゃんと「自分が翠玉の御使いです」と結蓮に告白したのは評価に値しますね。なんだかんだとこの作者の清家さんって、勿体ぶらないのがいいんだよなあ。
お陰様で、結蓮さんがいい感じに大混乱してますけど。最後のパニクった手紙の内容、かなり可愛かったです。

さて、もはや真実が明らかになりおじゃま虫が邪魔だけれど二人の間を遮る壁はなくなったも同然。あと、結蓮の戸惑いさえ解消されたなら、あとは彼女のリミットを除いて、イチャイチャするのに何の問題も無し。このシリーズでも砂を吐くような糖度の高いイチャラブが見れる日も近いんでしょうか。この天然クール系ヒロインがデレッデレになるのは是非見てみたい所存です。

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