恋愛視角化現象 上 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)恋愛視角化現象 下 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)

【恋愛視角化現象 上・下】 秋★枝 ヤングジャンプコミックス・ウルトラ

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人は思春期に恋をすると額にツノが生える!? そんな世のお話。――高校生の芹沢雛は、恋をしてもツノが生えたことがない。だけど、彼氏と付き合い始めてそろそろ半年。誤魔化しが利かなくなってきて…!? ツノにまつわるさまざまな恋模様を描いた、全8話収録。
思春期に恋をするとツノが生える、そんな世界の物語。――人気上昇中の若手声優の柚希に突然ツノが生え、戦々恐々とする事務所スタッフの片瀬。しかし、その裏には当人も想像しない理由が…!? 登場人物達のその後を描いた最終話を含む、全8話収録。
キュンキュンしてますかーー!! 上下巻同時刊行、恋愛マスターの秋★枝さんが満を持して送る青春LOVEオムニバス。
いやあ、この恋すると角が生え、恋が終わると角が落ちる、という恋愛感情が視角化されてしまう、なんていう発想が、その時点で勝利。恋をしているかしていないかを、本人の意志関係なく見えちゃうわけですから。恋する瞬間も目撃できちゃうわけですから、ただ恋する感情の往還のみならず、この「見えてしまう」という事自体が様々な齟齬や軋轢、逆にきっかけやトキメキを産むという恋愛因果のスパイラル。素晴らしいな、これ。
さらにね、逆に「ツノが生えない」という事もまた重要な要素になってくるのだから面白い。この角の生える時期が思春期だけ、というのも様々な問題や引きを産むんですよね。重ね重ね、この発想はパラダイムだなあ。
個人的に好きなのは……うん、あの教授のお話もね、いいんだけどね……あの話は教授と愛ちゃんよりも、実は直樹くんが一番好きなんだよなあ。もし、角が大人になっても抜けなかったら、さてこの男の角はどうなっていたんだろう。

とまあ、他に好きな話というと、女子高生が男子小学生を泣かせるお話。歳の差カップルってよく見るけれど、こういう関係って結構珍しい気がする。精神的にも大人なお姉さんと子供らしいおしゃまな小学生、という構図にも関わらず、芹沢さんが精神的にメタメタになってたのもあるのか、お姉さんと年下の男の子、というのにはややバランスがブレているのが面白い。これ、男の子の方頼り甲斐のある男に育ちそうだなあ。
まあ一番すごかったのは、康介の話ですけれど。この少年、色々と出来過ぎだろう。酸いも甘いも噛み分けた、というかなんというか、世の中と人の「見方」がとびっきりじゃ無いですか。正直、伊達ちゃんは幸運ですよ。これだけイイ男な上に大した野郎の見えにくい真価に、運良くぶつかっちゃったんだから。普通は、特にこの子みたいなタイプの子なら、絶対に行き当たらない領域ですもの。
人生の幸いだなあ、これ。

あいやー、もうすこぶるキュンキュンで、ラブコメ成分嫌というほど補充させていただきました、ゴチゴチ。

秋★枝作品感想