ストライク・ザ・ブラッド 5 観測者たちの宴 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 5.観測者たちの宴】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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すべての魔族は、今宵、消滅する──!
大人気シリーズ、待望の第五弾!!


 監獄結界からの脱出を果たした、仙都木阿夜と六人の魔導犯罪者たち。彼らの目的は犇隙の魔女疇邉榮畄遒遼殺だった。阿夜の奸計によって魔力と記憶を奪われた那月は、幼児化した姿でなぜか浅葱に保護されることに。脱獄囚たちの襲撃で窮地に陥る浅葱の運命は?
 一方、重傷を負った優麻を救うため、古城と雪菜は巨大企業MARの研究所を訪れていた。そこで古城たちを出迎えた人物とは──?
 世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第五弾!
ヤバい、煌坂沙矢華がおもしろ可愛すぎる♪ この娘、雪菜のお姉さん気取りで強気に突っかかってくるくせに、ヘタレだわ落ち着きないわ男に免疫ないわ、と初めて出た二巻から愛玩動物属性を全開にしてたものですけれど、いい加減チョロい、チョロすぎる(笑 ちょっと落ち着け、テンパリすぎだ、あんた。チョロいはチョロいでも、完全に勘違い自爆系で、自分から食べられに行ってしまうという自動据え膳機状態。何をしてもエロい方にエロい方にと思い込みを重ねていくあたり、頭の中相当煮立ってます、紐パンはなかなか反則だw
古城と一緒にいると常時テンパッて自爆し続けるので、傍から見ててアハハと笑うほかありません。でも、早速二度目のキス担当になるあたりは、これはこれで優遇されてるのかなあ。何気に使い勝手もいいですし、エロコメ要員としては独走を開始してますし……いや、それはヒロインとしてどうなんだろうと思わないでもないですけれど。
一方で、浅葱の方は引っ張る引っ張る。いい加減、彼女には事情を説明しなきゃならないはずなんですけれど、タイミングが悪いというかなんというか。普通、ここまで深く関わってきてしまったら、話さなきゃ纏まるものもまとまらないと思うし、古城だって浅葱に秘密を語ってしまうことについては既に前から覚悟は決めているんですけれど……。
雪菜の正妻としての貫禄については疑う余地もないところなのですけれど、今回の幼女那月を娘に据えての、浅葱と古城の夫婦設定は、これはこれで思いの外ピッタリとハマる風景だったんですよね。元々仲の良い気のおけない友達同士、という関係でしたから、意外と「家族」としてのスタイルにはイメージは行かなかったんですが、こうして見ると浅葱の大人っぽい雰囲気と相まって、結婚後の落ち着いた関係の方がしっくり来るところもあったんだなあ、と。さすがの雪菜も、まだ中学生である以上同じように娘を間に挟んで古城と夫婦状態、というスタイルを演出しても違和感しかないでしょうから。

仙都木阿夜の目的は、結局南宮那月の抹殺ではなく……このオバちゃんも不器用というか弄れているというか、実の娘にああいう仕打ちをして悪びれもしない事からも決して良い人物ではないんですけれど、独善たる人物のサガなのか、いい意味でも悪い意味でもこの人が考えてたのって那月のことばっかりだったんだなあ。那月ちゃんがそれをどう思ってるか詳細はわからないけれど、彼女が敢えてこの監獄結界の主をやっている理由の一つに、彼女なりの友情への返答があるんじゃないかなあ、と思ったり。

さて、物語の方はだんだんと「敵」の存在が見え隠れしてきた模様。敵に動きがある、というよりも第四真祖に古城がなってしまった事から含めて、獅子王機関や戦王側の目論見、これまで起こった事件がすべて、何らかの「大敵」の出現に備えるためのプロセス、みたいな様相を呈してきてるんですよね。此処に至ってまだ、古城が第四真祖になった時の話も、元の第四真祖と古城がどういう関係にあったのかも語られない事が、逆にその事がこの作品の核心を担っている、とも捉えられるのですが。
いずれにしても、そろそろ本格的な動きが見られてもイイ頃かも。ある意味今回の監獄結界の解放も、仙都木阿夜と南宮那月の云々であると同時に、ある人物を解き放つ事にこそ意味があったようですし。
まあそれよりも、そろそろ浅葱さんのターンじゃありませんか?

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