EIGHTH(9) (ガンガンコミックスJOKER)

【EIGHTH 9】 河内和泉 ガンガンコミックスJOKER

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エイスVSライバル企業、新章突入!!

ルカが無事生還し、平穏になったかと思われたエイス研究所。だが今度は、ナオヤがバチカンに行く前にエイスを辞めると宣言していたことがここへきて問題となる。そしてまた、エイスに潜入していたライバル企業のスパイが動き出し…。待望の新章スタート!!
誰かこの暴走男を何とかしろーー!!(爆笑
いやもう、ルカが酷い。前回までとは別の意味でセルシアが精神的に死んでしまうっ。これ、どう見てもストーカーだよね。そう言えばこの男、出てきた最初からストーカーみたいなものだったなあ、と遠い目になってしまった。あの頃でもなんだこの粘着っぽい男は、と思ってたものだけれど、あれでまだマシだったとは。なんつーか、世界の中心がセルシアなんですよね、こいつ。それはいいんだが、常識をどこにおいてきてしまったんだ、ルカよ。常識に拘ってバチカンでセルシアをひどい目に合わせてしまったことが、彼のトリガーを引いてしまったのか。とりあえずオマエ、無職でセルシアにずっとくっついてるつもりだったのか。後先考えなさ過ぎてるぞ(笑
とまあ、スタート地点はそんな盲目的な所から始まるのですけれど、ナオヤのエイスを辞める辞めないの問題や、ナオヤの行動がセルシアを救ったのに、それが問題になっていること。何故ナオヤの行動が問題視されているのか、ひいてはそこでルカ自身がセルシアを守るということの意味を自身に問いかけることになっていくわけです。ずっと傍にいるだけが、彼女を守ることに繋がるのか。最初は彼女を手放してしまったことで致命的な事態に陥ったことで、エイスに戻れたアトもああやって一秒も離れたくないとばかりにくっついていたルカですけれど、そうじゃないんですよね、やるべきことは。誰も答えを教えてくれるわけじゃないんですが、ルカはちゃんと目の前で起こっていく出来事、あの襲撃事件も踏まえて段々と選ぶべき選択肢を見出していくのでした。
翻ってナオヤ。リオの為にセルシアをバチカンから連れ戻そうと、エイスを辞めると所長に宣言してしまっていたナオヤ。セルシアとルカが戻ってきて何もかも元通りになったように見えて、ナオヤの辞任問題は有耶無耶にならずにエイスをやめなければならない、という展開になっていく。誰もが、問題が解決したんだから今更そんなことになんで拘るんだ、と所長を責めるんだけれど……このあたり、本当に微妙な問題なんですよね。ケジメはつけないければならないんだけれど……所長としてはそういう建前とかメンツの問題じゃなくって、純粋にナオヤの意識に問いかけてるっぽいのです。自分の判断と決断と行動がもたらすものをちゃんと自覚しなさい、というなかなかに厳しい教育なんですなあ。ぶっちゃけ、ナオヤって子は頭もいいし、非常に物事を弁えてる子なんですよ。だから、所長の言いたいことも一番解ってるのはこの子かもしれない。それなのに、敢えて辞めるって言ったよね、じゃあやめなさい、と突き放すあたりは所長の厳しさと期待がうかがえるというべきかなんというか。傍から見ると、警備隊長とアンジェラ博士が怒ってるように意固地になってるように見えちゃうんですよね……所長、ナオヤに対して欲してる要求がめちゃめちゃ高いんだろうなあ、これ。普通のガードに対する期待じゃないんですよね。その上、アンジェラ博士たちがどう反応するのかをナオヤに見せつけてる節もある……いや、ほんとにこの所長、ナオヤに何をどこまで期待してるんだろう。

ルカとセルシアを取り戻して、ラブコメ漫才に終始して、なんだか全部終わった気分になってたら、今度は手段を選ばない、どころか乱暴極まる産業スパイの襲撃が、よりにもよって病身のリオ先生とセルシアを襲う。暴力て、本当に怖いですよね。力で無理やり他人を従わせようとする、痛みを強制して強引に。この病室に押し入られたシーンは、なんかメチャメチャ痛くて怖かった。そんな派手なアクションとかじゃないんですよ? ただ、無理やり拉致ろうとしただけ。その、だけ、が迫真なんですよね。リオ先生の悲鳴が、恐怖の叫びが心臓を鷲掴みにする。どんな天才だろうと、この子はほんの子供だってのに。この出来事が、どれほどこの小さな子の心に傷を与えてしまったのか。嫌だなあ、みんな純粋に人を助けるための仕事しているのに、どうしてこんな事になるんだろう。セルシアが、これまで守られる側だった彼女が守り愛を与える側になろうとしていることは、果たして良いことなのか悪いことなのか。少なくとも、彼女が自分の力を他人を傷つけるために使うことに、りおを守るために躊躇わなかった事は憶えておこう。それは他人を傷つける行為でも、誰かに利用されるためじゃなく彼女が自分自身で使おうと思って使った力なのだから。
……ゴムもまあ本人が使わないでいいと思うなら使わないでいいんじゃないかなw
むしろ、セルシアとルカについてはそういう関係になっちゃった方がややこしいのがほどけていいと思うんだけれど。ってか、セルシアはどう思ってんだ? 満更ではないのは分かるんだが、ちゃんと意思表示しないとルカは徹底して献身に走っちゃうぞ、あれ。現段階で既に何も求めない状態に突入しちゃってるし。いや、それは最初から……。一番健全なのは、ルカがセルシアに対してなんでもいいから求める事なんだろうけれど、それってやっぱりセルシアの方でちゃんと意思表示して関係をちゃんと整頓しないとどうにもならなさそうだもんなあ。とは言え、そういう悠長なことができるのも、件の産業スパイの問題とりお先生の病気が何とかめどつかないとどうにもならなさそうなのだけれど。

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