オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> 6 (HJ文庫)

【オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス>6】 鷹山誠一/伍長 HJ文庫

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修羅場の秋。ハーレムまだまだ拡大中!?

体育祭&文化祭シーズンを迎え、周囲から「この天然ハーレム体質! 」などと罵られつつ肝心の明日香先輩に誤解されまくる、穏やかでない日々を送るオレ。
なぜかそれを見透かしたようにオレに絡んでくるクラスメイトの薫。
そんな中、先輩やサヤ姉たちの超能力《オーバーライン》を狙う実業家・小鳥遊が送りこんだ「監視者」の情報が舞いこむが……?
これまでちょっと仲の良いクラスメイト扱いだった薫だけれど、スポットが当たった途端にここまで可愛くなるというのは、反則だろう反則! あざとい! あざとすぎる!
だがしかし、薫当人の目的を考えるとこれまでカーくんと本格的に絡まずに外枠で目立たないようにしていたのも、サヤと明日香が修学旅行で不在のタイミングを狙って関係を深め、体育祭などで一気呵成に畳み掛けてきたのも、薫の思惑通りではあるのだろう。お陰で、というワケじゃないけれど、ラプラスとして学内から忌み嫌われていた明日香よりも、今やハーレム野郎であるカーくんの方が四面楚歌というのは笑った。当人は明日香先輩一筋だと独白しているけれど、彼はあんまりそれを公言してないんですよね。幾ら内心で主張したって、誰も聞いてないよ、そんな心の声。外から見ると女の子の間でふらふらしているようにしか見えないし。それはいいんだけれど、ちょっと周りの女の子が多くなりすぎて、ラブコメとして散漫になっている部分は否めないとおもわれる。薫が絡んでくるにしても、サヤ姉と明日香にサトリがくっついての三人相手が一番スマートなんだけれどなあ。
さて、ここ数巻に渡って、小鳥遊に内通してカー君たちを監視しているピーピングトムの正体が薫だというのは嫌というほど示唆されてきたんですけれど……これまでのオーバーラインが発現する条件と、その能力の内容を鑑みれば、あの薫の友達という子が出てきた時点であからさまなくらい明らかだったのは間違いないんですよね。その上で、薫という人物の描写を重ねていけば、彼女の能力が覗き見だ、というのは違和感が生じてくる。まあ、違和感どころじゃなかったんですが。ミスリードにもならないミスリード。此処に来ては、隠すつもりもなかったのか。
それでも、妙な感じがしていたのは、彼女がピーピングトムである、という正体を明らかにしていた―もしくは主張していたシーンに登場していたのは、彼女が独白しているシーン以外では常に黒幕である小鳥遊社長その人だったからなのでしょう。
うん、変だなとは思っていても、誰が監視者か、という正体が判ったことに満足してしまって、それ以上踏み込んで考えるという発想が湧かなかった時点でラストシーンに驚かされてしまったのは仕方なかったのかも。これは、死体を隠すには、死体を埋めた穴の上に犬の死体を埋めておけ、というパターンか。
正直、あの人は言動からして底の浅そうな、黒幕としては役者不足な気がしていたので、この展開は面白いじゃないですか。
とは言え、こんな展開であのサヤ姉が黙って良いようにされているわけがないので、今回大人しかった分巻き返してくれるでしょう。

シリーズ感想