聖剣の刀鍛冶14 (MF文庫J)

【聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス) 14.Barbanill 2】 三浦勇雄/屡那 MF文庫J

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都市を捨て、炎を上げて流れる溶岩の河向こう、ブレア火山の麓で迎撃の陣を組んだセシリーたち騎士団。しかしすでに都市を蹂躙せんと侵攻した帝政列集国はシーグフリードの振るう魔剣エヴァドニの力で溶岩を越え、進撃を止めることがない。そして遂に、都市騎士団と帝政列集国戦士団は、激しい剣戟を交わす乱戦に突入する。ルークが、ハンニバルが、ヒルダが、それぞれに己の剣のみで、魔剣を手にする敵と斬り結ぶ。そして、いまだ聖剣として覚醒しないアリアを手に、最前線に立つセシリーは――!? 壮烈な最終決戦の火蓋が切られる最新巻!!
何故この巻で終わると思った!?
思ったよ! だって、次で終わるからって言ってたもん! わざわざ二冊に分冊してとか、終わりまで予定立ってるからと思うじゃない。なにより、私素直だから、言われると信じちゃうんだよ、疑わないんだよ、ピュアなんだよ!
しかし、圧倒的なまでに終わらなかった。全然終わらなかった。いや、冷静に考えると終わるはず無いじゃない、13巻の時点で。どれだけ捲き入れなきゃいけないんですか。
というわけで、最終決戦がここにようやく怪死です。変換で開始じゃなくて怪死の方が上位に出てきた件について。
この期に及んで、未だにシンクロできないセシリーとアリアがもどかしくて仕方がない。こればっかりはセシリーが悪いとかアリアが悪いとかじゃないだけに、モヤモヤ感の行き場がないんですよね。そもそも、聖剣となってアリアが復活する! というのを信じて疑わなかっただけに、聖剣として生まれ変わったアリアが、以前のアリアとは違う存在なんだ、ということをどうしても無意識にも認められなかった。いや、過去形ではなく現在進行形で認めきれていないんですよね。それこそ、ルークの幼馴染のリーザと、悪魔のリサが別人であるという件を引き合いに出されて、それと同じ事なのだと言われて多大なショックを受けるほどに。心のどこかで、いずれアリアは記憶を取り戻して元のアリアに戻るに違いないと信じて疑わなかっただけに、それを否定する要素が次々と出てくると、やっぱりこう……堪えるんですよね。
今更になって、もうアリアはいないのか、と。
そうじゃないんだ、と否定されてもこうなってはそうなんだ、となかなか納得はできない。ようやく、剣と使い手という相棒にして戦友という形に、二人が馴染んできた今ですら、本当の意味でかつてのようにシンクロしていないとなると、尚更に。
しかし、その状態ですら、あれだけの無双が出来るっていうんだから、セシリーの技量の跳ね上がり方は尋常じゃない事になっている。レベル上がりすぎだろう!? 少なくとも魔剣を握った状態なら、既にルークを上回っているんじゃないだろうか。ルークだってあそこまであざやかに人外兵器を駆逐できんぞ。それも、魔剣の力に頼ってのことではなく、純粋にセシリーの腕前から引き出された無双状態ですしねえ。先の都市攻防戦での戦いっぷりも凄まじかったですけれど、もはやリアル一騎当千、万夫不当と言っても過言ではないんじゃないだろうか。あと、戦場で行きも絶え絶えになりながら、顔を合わせればイチャイチャを欠かさないルークとセシリーの新婚っぷりには脱帽です。
とはいえ、未だにアリアが聖剣として覚醒していない状態が示すように、状況は好転せず、どころか悪化するばかり。ヒルダが頑張ってくれてますけれど、何しろ此方がわには戦力が少なく、最強のあの人すら倒れてしまい、ルークは此方も大暴れしながら相変わらず虚弱体質を露呈し、息も絶え絶え。未だシーグの不気味な動向の真意は明らかにならず、敵の魔剣勢力は欠けることなく追撃をかけてくる。そして、止めのラスボス復活。
思わず、【ゴジラ1984】のゴジラ復活シーンを思い出してしまったド迫力の復活劇。これぞラスボス、って感じだけれど、それだけにこんなのどうやって相手するんだよ、という絶望感が正直パない。
それこそ、ここからあと一冊で終わるんですか!?

シリーズ感想