Tとパンツとイイ話3 (MF文庫J)

【Tとパンツとイイ話 3】  本村大志/前田理想 MF文庫J

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陽太は光里と一緒に、コンがまだただのぬいぐるみだったころの元の持ち主捜しを名目にして遊園地に出かけることになる。ハイテンションで喜ぶ光里を見て彼女には名目を知られたくないというコンだったが、結局陽太の様子から光里には事情を察されてしまう。そんな遊園地デートの最中、思念紡績協会が追う凶悪な思念糸使いの薄野がコンを狙って陽太たちの前に現れる。天川や影時らが薄野と対峙するもその力は圧倒的で――!?
思念糸が絆を結ぶ、暴走合体ラブコメ、第三弾!
食べられちゃうっ、陽太くんが食べられちゃう! 思いを通じ合わせた二人に立ちふさがる壁なし、と言うことで怖いもののなくなった光里は完全に肉食系女子として覚醒。ただでさえフリーダムで我が道を行くヒロインだったのに、こうなってしまうと骨付き肉を差し出された空腹のワンコである。隙アラバむしゃぶりつこうとし、隙がなければ押し倒そうとするという積極攻勢に陽太も嬉し恥ずかしでタジタジ。ただ、陽太も光里オンリーで脇目もふらず光里光里、と彼女に夢中なので、もう誰憚ることなくイチャイチャしっぱなしである。
もうお腹一杯だよ!!
二人がイチャイチャしている分、シリアス要素のほとんどは影時と天川が引き受けることに。特に影時はオマエ主人公なんじゃないか、というくらいの縦横無尽の大活躍。いやもう、頭はキレるし深慮遠謀に長けてるし、根性据わって覚悟も決まっていて、何より友情に厚く友のためならば身を擲って一抹の後悔もしない、という潔さ。唯一の欠点は極度の変態、という点だけというハイスペック。ここまで凄いとむしろ「変態は格好良いもの」という間違った認識すら生まれそうな勢いである。最近は別作品でも変態が妙に格好良いので、恐ろしい世相になったものである。もういっそ、天川が女性だったなら影時とフラグが立ちそうな勢いだったのになあ。腐ってるとむしろこれがいい、になるんだろうけれど。天川の過去は想像以上に壮絶で、彼はそこを突かれて一度はリタイアしてしまうのだけれど、そこから再び痛みに歯を食いしばって立ち上がる姿は本当に熱かった。なんでこんなに友情に熱いやつらばっかりなんだろう。何気に後半は天川と影時は熱血で、囚われの光里を救うために無力感にのたうち回りながら奔走する陽太は純愛で、ひたすら燃える展開でした。
もっとも、そのお陰か最終巻のために話をまとめるためか、前二巻に比べてあのセンスがキレまくったギャグは少なくなってしまっていて、本作の特色が幾分薄まってしまったように感じたのはちと残念でしたが。
あの抱腹絶倒なギャグ、コメディの数々がこのシリーズの押し押しの部分でしたからね。
これで終わってしまうのがもったいない限り。本当に楽しい、心から腹を抱えて笑える楽しいシリーズでした。次回作も、是非期待したい所。楽しみに待ってます。

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