デート・ア・ライブ6  美九リリィ (富士見ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 6.美九リリィ】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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九月八日。天宮市内の高校一〇校が合同で行う文化祭―天央祭が迫る中、実行委員として準備に大忙しな五河士道は第6の精霊と接触する。「これは…歌…?」無人のステージで光のドレスを纏い、無伴奏の独唱をする精霊、美久。早速デレさせるため、会話を試みる士道だが…。「何喋りかけてるんですかぁ?やめてくださいよ気持ち悪いですねぇ。息をしないでくださいー」話すたびに好感度が下落していってしまい。凄まじいほどの男嫌いなアイドルの精霊をデートして、デレさせろ!?
精霊とデートするのを強要された時もそうだったけれど、士道って最初は嫌々言っているくせに、やりだすとかなり真面目に取り組んでしまうあたり、真面目なのかハマるタイプなのか。というわけで、男嫌いの精霊・美久をデレさせるために急遽女装して従姉妹・士織を名乗るはめになった士道。最初は嫌々だったくせに、慣れてくると化粧する姿も女っぽくなってしまっているご様子。女言葉もさして苦労している様子もなく、立ち振舞いも女性らしくやれているところを見ると、単に女顔というだけではない素質を感じさせるのであった。
こうして女装した士道をイラストで見ると、ちゃんと実妹の真耶にそっくりなんですよね。なんか妙なところで二人が実の兄妹だという事実を眼にした気がする。
とまあ、女装までして接近を図った精霊・美久は、だがしかしある意味狂三にも匹敵する人を人とも思わない正しく人の外にある怪物だったのです。と言っても、狂三のような凶悪無道なバケモノと違って美久の方は精神的に自立できていない幼い人格、自分の思うとおりにならないと気が済まない、というお嬢様然としていながら幼稚園レベルのメンタルレベルのワガママ娘、と言った感じである。なまじ、他者の自由意志を奪い自分の思い通りに動かす能力を持ってしまったが故の弊害、とも言うべきか。狂三がある意味酸いも甘いも噛み潰して壊れてしまった最果てとするならば、美久は始まる前に歪んでしまいそのままスタートラインを切ってしまったマイナス・ゼロといった感じだけれど、だからといって矯正可能かというとかなり厳しいような。
これまで自分の思うがままに振る舞ってきた女王様は、すべてが思い通りになるものではないのだと思い知らせた上でぐうの音も出ないほど叩き潰してその性根を叩き直すのがまず常道なのだろうけれど、途中までは順調だったにも関わらず、美久の能力の凄まじさに肝心のところでとんでもない事に。
あれ? 詰んだ?
今回は美久の独り善がりな性格といい、DEM社の横暴極まるやり口とイイ、けっこうストレスの溜まる展開が多かったです。こういう輩は、痛快にふっ飛ばして叩き潰してその自惚れやら増長やらをけちょんけちょんに痛めつけてくれるとスカッとするのですが、不幸な要素が重なって急展開でラストがあんなことになってしまい、この次回に続くは、あんぎゃーーって感じですよ。そこで引っ張るかー、と。
ええいっ、十香が随分と真っ当なお姫様ヒロインしてるじゃないですかっ!
せめてもの救いは、真那の復活か。彼女の活躍と啖呵はほんと、痛快でしたから。
しかし、言われてみると一箇所にこれだけ精霊が集まっているというのも、冷静に考えるととんでも無い状況なんですよね。その殆どが士道に力を封印されているとはいえ。あー、四糸乃は出てくる度に癒されます。なにこの癒し系。八舞姉妹も、随分と落ち着いて姉妹でイチャイチャラブラブ、お前らお互い好きすぎだろう、というラブ時空を形成してしまっていて、眩しいような目も当てられない様な。
好きすぎだろう、というと琴里の折々のさりげない言動も、お前おにーちゃん好きすぎだろう、というのが伺えてニヤニヤものなのですが。さすがは好感度ウルトラマックスw

さて、美久の能力が全開となり、DEM社の暗躍によって十香がえらい目にあい、肝心の〈ラタトスク〉までもが機能不全に陥ってしまい、仲間も居らず徒手空拳のまま放り出されてしまった士道。何も出来ず誰も助けに行けず無防備に放り出された彼の前に現れたのは、かねてから虎視眈々と彼の身を狙っていたあの最悪最凶の精霊・狂三。
まさに盛り上がりも最高潮といったところで、次回に続く。くわーーっ。

シリーズ感想