俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 6 (GA文庫)

【俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 6】 裕時悠示/るろお GA文庫

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ヒメにフェイクがバレた!? 甘修羅らぶ×らぶコメディ第6弾!

「偽の彼氏って、どういうこと?」

鋭太と真涼の偽物<フェイク>な関係が、ヒメにバレてしまった!
その翌日から、ヒメの様子がおかしくなった。あきらかに中2病が悪化しているのだ。
「我が剣に手を触れるな! 呪われた竜に魅入られたいのか! 」
風紀委員にすら反抗し、暴走するヒメ。
その理由はやはり鋭太と真涼にある訳で……。
ヒメの件を相談する二人は、真涼の希望で鋭太の家に。
「えーくん、お帰りなさーい♪ ……ッ! ?」
キッチンから千和がエプロン姿で駆けてきて、真涼とはち合わせ!?
裕時悠示×るろおが贈る、甘修羅らぶ×らぶコメディ第6弾!
丁度アニメもはじまった【俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる】。ということは、アニメでは当初の鋭太も千和も好き勝手に翻弄する悪魔のような真涼の自在闊達ぶりがお目にかかるわけで……あれがこんな有様になってしまうとはなあ、といささか感慨深い思いに駆られてしまった。
真涼、もうメタメタである。彼氏彼女というアドバンテージもこうなってしまえばフェイクと言うことで優位にも繋がらず、余裕の一切をなくして余裕と焦燥に身を焦がされながら必死に鋭太にしがみつくばかり。席替えで席が隣から離れてしまうくらいのことで七転八倒、秘密を知ってしまったヒメの動向に戦々恐々、自信の欠片もなくして陸に打ち上げられた鯉のように口をパクパクさせながらピチピチと跳ねまわるばかりの無残な惨状。ほんと、誰だよこれw
しかし、その弱みの塊みたいな姿にむしろキュンキュンしてしまうのは悪趣味なんだろうか。
ぶっちゃけ、ここまで鋭太との彼氏彼女の関係を失うことに恐怖し取り乱して何としても今の関係を維持しようとしている真涼の姿に、彼女が鋭太に恋などしていない、などと言う方がおかしいだろう。それでも、真涼は頑なに誰が見てもあからさまな彼女自身の感情を決して認めようとしない。拒絶し、断絶し、突き放して、頭を抱えてうずくまってしまっている。そこまで恋愛という事象を否定しながらも、鋭太との繋がりを失うまいとあがく姿が、なんとも哀れで、それだけに心を打つのだ。なりふり構わない必死さが、愛おしい。
ヒメに事実を知られてしまったことは、その破綻を決定的なものにしてしまったといって良い。だけれど、ヒメはその事実を胸に秘めたまま、彼女自身が自壊しはじめてしまう。
自分のついた嘘が、自分の首を絞めるだけじゃなく、大切な友人までも巻き込んで壊していく。その事実を前に、真涼はさらに追い詰められていく。そして、最大のライバルである千和は着々と成長を続けてその存在感を確かなものにしていく。そして、縋るように開いた鋭太との繋がりの縁であるはずの黒歴史ノートの最後のページに、真涼は自分が決して割って入れない鋭太と千和の絆を見つけてしまう。
そして、トドメのように現れたその人が、彼女のすべてを、否定する。

パキン、と心の折れた音が聞こえた。


結局、鋭太と真涼が否定し憎んだ恋愛の正体とはなんだったのか。あれほど遠ざけ拒絶しようとしたそれに、二人は絡め取られ、それを認めないがために苦しみもがくことになってしまった。
二人共、自分の憎んだものの本当の正体を見つけ出さないと、二進も三進も行かなくなってしまっていたのだろう。特に、鋭太はその答えを見つけなければ、真涼とまっすぐに向き合う事が出来ないだろう。彼女に、何といえばいいのか、何を言えばいいのか。自分の気持も、恋愛に対する答えも、ちゃんとしたものを用意しなければ何も初められなくなってしまっている。
でも、動かないなんてことはきっと論外なのだ。答えは見つけられずにいたとしても、鋭太にとって結論はきっと本当に最初の方から、真涼とキスをしたくらいの頃から、きっと出てしまっていたはずだから。
真涼は気づいていないかもしれないけれど、彼は千和を特別扱いするように、いつだって彼女である真涼を特別扱いしてきたのだから。ずっと、彼女を守り続けてきたのだから。
もうとっくに、偽物の彼氏彼女の関係は、偽物の偽物になっていたはずなのだから。
真涼は一言、頼れば良かっただけなのに。彼女が、彼氏を頼って何が悪いのか。何の問題があるのか。
ラストは鋭太のターン、彼氏の面目躍如を最高の舞台で期待したい。頑張れ、男の子。頑張れ、女の子たち。

シリーズ感想